2019年9月30日月曜日

9月の読書

今月は読書月間、だったらしい

北斎漫画、動きの驚異* 藤ひさし・田中聡 河出書房新社 2017
武器としての世論調査* 三春充希 ちくま新書 2019
そろそろ左派は<経済>を語ろう* ブレイディみかこx松尾匡x北田暁大 亜紀書房 2018
流れに抗して* 鶴見俊輔 SURE 2013
私のエッジから観ている風景* 金村詩恩 ぶなのもり 2017
歌仙 一滴の宇宙 * 岡野弘彦・三浦雅士・長谷川櫂 思潮社 2015
秩序なき時代の知性 * 佐藤優+ ポプラ新書 2016
終わりと始まり2.0* 池澤夏樹 朝日新聞出版 2018
はしっこに、馬といる* 河田桟 カディブックス 2015
馬語手帖* 河田桟 カディブックス 2012
沼地のある森を抜けて* 梨木香歩 新潮社 2005
ゴリラの森、言葉の海* 山極寿一・小川洋子 新潮社 2019
バルパライソの長い坂をくだる話* 神里雄大 白水社 2018
居るのはつらいよ* 東畑開人 医学書院 2019
こんなとき私はどうしてきたか* 中井久夫 医学書院 2007
82年生まれ、キム・ジヨン* チョ・ナムジュ 筑摩書房 2018
ヒョンナムオッパへ* チョ・ナムジュほか 白水社 2019
クルマを捨ててこそ地方は甦る* 藤井聡 PHP新書 2017
インフラ・イノベーション* 藤井聡 育鵬社 2019
最後の頭取* 河谷禎昌 ダイヤモンド社 2019

2019年9月28日土曜日

ゴーヤはとつぜん現れる

グリーンカーテンとして植えたゴーヤの勢いがすごい。地面から雨樋に届くまで伸びてしまったので、紐を横にずーんと張ったら、それをたどってさらに伸び続けている。9月に入ってから身をつけはじめ、すでに10個以上収穫しただろうか。予期せぬ贈りもの。
ゴーヤはいきなり姿を現わす。可愛い赤ちゃんサイズのものが、いきなり収穫できるサイズになって出現する。ちっちゃい頃会った友人の子どもが、いきなり大人になって訪ねてくる、そんな感じの驚きがある。これで採り納めかな〜と思っていても、必ず見落としがあって、何日かたつと、新しいゴーヤを葉の間に発見する。あと五個ぐらいは収穫できそうだ。


2019年9月26日木曜日

キム・ジヨン

テレビをみないので「嫌韓」番組のことはしらない。ただ本屋に「嫌韓本」が並んでいることは知っているし、そのような本屋からは自然足が遠のく。ツイッターをやっていて面白いなと思うのは、たかだか100人しかフォローしてないのに、その時々のトレンドが虫眼鏡で拡大されるように画面に現れてくるから、へぇー、韓国からの観光客が減ってるんだ、くらいの情報はちゃんと僕の耳にも届いてくる。そんなときほど、韓国に行ってみなきゃと、天邪鬼のぼくは思ってしまうのだけれど、残念ながら予定が立たない。

82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)を読んでみようと思ったのは、この本の翻訳者である斎藤真理子さんのインタビュー記事「女が勉強してどうなるのか」の時代から『キム・ジヨン』までをネットで見かけたからだ。どういうルートでこの記事にたどりついたかまでは覚えていないのだけれど、この記事を読んだあと、「読んでおくべき本のリスト」にキム・ジヨンは付け加えられた。いつものように図書館にリクエストしてみたら、なんと予約待200件。所蔵冊数も多いから数ヶ月待ちというところか。こうなると俄然買ってでも読むというモードに入ってしまい、本屋に行く機会を待っていた。

一番近所にある大きな本屋さんというと、立命館の学生生協。大学のキャンパスに足を踏み入れることはあまりないのだけれど、街中に行く予定もないので、とりあえずチェックしてみることにした。しかし、キム・ジヨンはみつけられず。その日の夜、仕事から帰ってきて着替えを済ませた連れ合いが、めずらしく「この本読んでみる?」と一冊の本を目の前に差し出してきた。思わず声を上げてしまった。なんと、パソコンの画面で見たことのある顔のない女性の上半身の絵を表紙に使った本がそこにあった。キム・ジヨンである。半年近く前に予約しておいた本が届いたという連絡が図書館からあったので何日か前に取りに行き、もう読み終えたという。

さて、僕などフェミニズムに理解のある男を装っていたとしても、最後に出てくる精神科医レベルなんだろうな、と自戒を込めてコメントしておく。この問題、「性と文化の革命」における父権的制度ともつながっているので、稿を改めて考えてみることにする。

【予告】石川合同稽古会12月

石川合同稽古会の予告です

 12月、第2回目の石川合同稽古会を開催します。会場は夏と同じ金沢湯涌創作の森で、今回は、富山在住のライターである田中聡さんを迎えての座学もあります。田中聡さんは日本思想に詳しく、著書多数。狛江稽古場で二年にわたり様々なテーマで講義をされてきました。今回のテーマは見立ての古層(仮)です。稽古も、導入的な内容となった8月の会からさらに稽古の森に分入っていければと思っています。前回の参加者だけでなく、はじめての方たちの参加をお待ちしています。

日時 12月21日(土)13時〜22日(日)14時

会場 金沢湯涌創作の森 金沢駅よりバスで40分 
   宿泊定員二十名

2019年9月13日金曜日

AQ8

年号への関心が消えた
たまに年数を数える場面になると、西暦を恃む
自分の中で大きな時代区分があるとすれば、それは東日本大震災ということになる
その出来事は震災の前だったのか、それとも後だったのか
そのように震災を境にものごとを考えている私がいる
自分で年号をつくるとすれば、AQになるだろう
After the Quake
では、2011年はAQゼロ年なのか、AQ1年なのか
それはAQゼロ年と数えるのが妥当だろう
とすれば、2019年はAQ8年ということになる
AQ8年を生きている

2019年9月10日火曜日

グリーンカーテン3

残暑はつづく
素直に秋が来ると期待していたのに
グリーンカーテン活躍中
フウセンカズラは着実に種を増やし
ゴーヤは今頃になって可愛い実をつけはじめている


2019年9月8日日曜日

白山稽古会 9-11

9月〜11月の白山稽古会の日程は次の通りです

日時  9月15日、10月20日、11月17日   10時〜13時
    日曜開催となります
会場  白山市千代野東3−5−6

詳細は白山稽古会のページ

12月には、石川合同稽古会(vol.2)を開催する予定です

2019年9月2日月曜日

バルパライソ

先月上京した折に、神里雄大の「バルパライソの長い坂をくだる話」を観る機会を得た。
予備知識なしで臨んだのだけれど、まず、神里というひとは詩人なのだと思った。詩人なのに、自分でその声を直接聴衆に届けるのではなく、役者のからだを通して、その声を届けようとしている。詩人のテキストはスペイン語に翻訳され、アルゼンチン人の役者によって発語される。もともとの日本語テキストは英語訳と一緒に字幕としてステージの上部に投影される。聴衆の僕が見ているのは、舞台の上の役者の動き、聞いているのは役者が発語するスペイン語のテキスト。同時に、日本語の字幕にも目をやる。女優は舞台の端の車の中にいて前を見ているが、いっこうに声を発する様子がないので、彼女の動向からも目が離せない。ずいぶんと聴衆に負荷を強いる構成になっている。五感をばらばらに働かせている隙間からなにかが伝わってくる。

二年前、この劇が京都で作られているとき、俳優のなかの二人が、時間をみつけて僕のところに稽古に来ていた。ただ、肝腎の公演時、ぼくは韓国に出かけていて、本番を見ることができなかったから、二年経って、ようやく役者としての二人を見ることができたのだった。なぜ、かれらが等持院に?と不思議に思うひともいるかもしれないけれど、サンパウロと京都の間に整体ルートというのがあって、ここ何年か人が行き来している。20年前、本部稽古場での稽古仲間であった田中俊行さんが日系の奥さんと一緒にサンパウロに移住したことにたどり着く。移住して何年かのち、田中さんはサンパウロの大学で動法を教えはじめる。(→ PUC訪問記2013)そのクラスにいたのが、今回の神里さんの芝居に出ているEduarudo Fukushimaで、Marina SarmientoはEduはその役者仲間。日本〜ブラジル〜アルゼンチン〜日本と大きなループが形成されるようになったのは不思議だ。

余談だけれど、バルパライソという地名のひびきは好きですね。チリ中部にある港町だそうです。