2022年2月28日月曜日

2月の読書

菌の声を聴け* 渡邉格・麻里子 ミシマ社 2021
アーモンド* ソン・ウォンビョン 祥伝社 2019
くらやみに、馬といる 河田桟 カディブックス 2019
カーテンコール* 加納明子 新潮社 2017
世界のおすもうさん* 和田静香・金井真紀 岩波書店 2012
ポルトガル-小さな街物語* 丹田いづみ JTB 2002

2022年2月23日水曜日

千の抽斗(ひきだし)

ふたむかし前のことだ。日曜日に本部稽古場でやっていた初心者向けの稽古会に顔を出したことがある。そのぬるさに驚いた。動法をすっ飛ばして稽古している。「放し飼いにしている」と師匠は笑っていたが、動法なしの内観なんて宝の持ち腐れではないかと憤慨した覚えがある。

自分がたどった道筋をなぞるように教えていこうというのは、教える者の習性みたいなものかもしれない。まず動法ありき。動法なき稽古場はありえない。これは今でも正しい。基本はすり足であり、坐法であり臥法である。だが、それをいっと最初に持ってくる必然性があるのかどうか、今となっては、ちょっとあやしい。

千の抽斗があったとしても、普段使いしているものは十にすぎず、この十個を組み合わせながら日々稽古していることに愕然とする。人に適わせてふさわしい抽斗を開ければいいものを、知らぬ間に開ける抽斗の数が限られてきて、開ける順番も自分がたどった道筋をなぞろうとしている。ひとつの稽古を深めるといえば聞こえはいいが、その実、習慣性というループにはまっている可能性も大いにある。

せっかく千の抽斗があるのだから、組み合わせはもっともっと自由であるはずなのに。

2022年2月7日月曜日

千の技法

三十年の間に千の技法がうまれ、千通りの体験をして、千の新しい語彙を得てきた。それらは野口晴哉の技法と紐づけられ、整体の世界が再構成、再定義され、その世界が古典世界と響き合っていることに驚き、そのような感覚世界と言語空間の中に踏み入り暮らしていくことを僕らは「整体」と呼ぶようになった。

2022年2月1日火曜日

20冊の本

先月の石川。読む本がなくなって駅ナカの書店を覗いた。北海道の地方都市の小さな書店主がはじめた著者と読者をつなぐ「一万円選書」(岩田徹 ポプラ新書)という挑戦について書かれた新書を見つけた。滅法面白い。1ヶ月百名限定で、その人が読んだらよさそうな本を一万円分店主自ら選び、異存がなければ買ってもらうという試み。事前に調査票(選書カルテと呼んでいる)を出してもらい、それをもとに本を選んでいく。店主が提示する本の数々。びっくりするくらい、僕のアンテナに引っかかったことがないタイトルが並ぶ。一年百冊x60年として6千冊くらいの本は読んできたはずだけど、世に出回っている書籍の数からいえば、ほんと氷山の一角どころか、砂漠の数粒の砂に過ぎないことがわかる。「これまで読んできた本の中で印象に残っている本をベスト20を教えてください」という設問がある。さて僕なら、どの本を選ぶだろうと、わが読書歴を振り返ってみるのだが、20冊挙げるというのが、とんでもなく難しいことに気づく。僕など、読む端から忘却していく人なので、覚えていない。子供の頃から時系列に思い出そうとするのだが、5冊しかでてこない。1) 地底旅行(ベルヌ)、2) コンチキ号漂流記(ヘイエルダール)、3) なんでも見てやろう(小田実)、4) 荘子、ときて、いきなり直近で読んだ 5) 分解の哲学(藤原辰史)に飛んでしまう。20代以降、いったいどんな本を読んできたのだろう。この「一万円選書」、ブックガイドとしても秀逸。いつか、一万円選書、お願いしてみたい。まずは、ベスト20を選んでおかねば。