黒川創ファンを自認しているが、手元に置いている本はない。ただ、この「この星のソウル」だけはいつか著者にサインを貰うために買っておこうと本屋に出かけたのだが、出版から3ヶ月も経つと存外在庫がなかったりする。セルフレジを使っている大型書店は基本避け、小さめの本屋を目指すのだが、それでも見つけられない。余波舎ならあるだろうと目星をつけて行ったのに、他の本はあるのに、この本に限ってない。とうとう諦めて取り寄せてもらうことにした。
と、ここまでは前置き。なぜ、この本に限って購入しようと思ったか。フレンズワールドカレッジという、私にとっては母校とも呼べる固有名詞が活字となって記されているからである。かわら版のデジタルアーカイブを作ったときにも思ったのだが、記憶はどんどん風化して忘れ去られていく。活字というのは、そのような歴史に爪痕を残すことでもあるのだ。フレンズワールドカレッジ(京都)を記憶に留めておくには今がタイムリミットなのだが、やるエネルギー残ってるかな。
閔妃暗殺という日本近代史の暗部を中心に据えた日韓の歴史、70年代から現代にいたる筆者自身の韓国との関係、そして、変貌するソウルの姿。それら異なった時間の流れをひとつの作品としてまとめ上げている。同じ時代、似たような場所を彷徨った者のひとりとして、このような作品が世に出たのは嬉しいし有り難い。
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