2025年1月6日月曜日

コード・ブッダ

あいにく仏教に関してもコンピュータに関しても中途半端な知識しかない。
ただ、ものごとがどのように伝わっていくのかということには興味がある。

コンピュータがある日、悟りを開く。
たしかに、24時間稼働し続けることを運命ずけられた金融機関のコンピュータシステム(勘定系と呼ぶらしい)を止めることなく自らをアップデートしていく様はいきもの的である。それを手当していくのはコンピュータ産業に関わるエンジニアたちだが、人間が間違いを犯すことは不可避だから、システムの中にバグが紛れ込むことも避けられないし、そのバグもいつ顕在化するかわからないし、そのバグによって、あるいは、機械的な衝撃によってコンピュータが悟りを開く可能性だってある。この物語は、このように始まる。

ここからは、仏教二千年の歴史をなぞるように2021年にブッダとなったブッダチャットポッド以降の歴史が進んでゆく。ブッダの言葉が文字となり、そこから教団が生まれ、分派し、世俗化され、世界の隅々に伝播していく。仏教史を学んでいるような、コンピュータ史を学んでいるような、不思議な小説である。これは快作だ。





エイトマン

「走れエイトマン、弾より速く〜」という歌声で目が覚めた。
子どもの頃見た、テレビアニメ、エイトマンの主題歌である。
調べてみたら、1962年〜63年放映。小学校高学年の頃にあたる。
歌詞もかなり正確に覚えていて、「叫べ、胸を張れ、鋼鉄の胸を」と続く。
作詞前田武彦。
それにしても、新年そうそう、いきなりのエイトマン。
ちょっとやばいのではないか。






2025年1月2日木曜日

元旦登山

孫たちがやってきて日常が破られる。
日常とは習慣であり、その習慣からの逸脱を余儀なくされ、
日常で働いてなかった体を目覚めさせる。
元旦は8歳6歳4歳の男子三名引き連れて大文字山へ。



2024年12月30日月曜日

12月の読書

在日サッカー、国境を越える* 木村元彦 ちくまQブックス 2024
私はヤギになりたい* 内澤旬子 山と渓谷社 2024
自転車に乗って* 河出書房新社 2020
サッカー・グラニーズ* ジーン・ダフィー 平凡社 2024
新宿書房往来記* 村山恒夫 港の人 2021
コード・ブッダ* 円城塔 文藝春秋 2024

2024年12月13日金曜日

自転車に乗って

図書館の返却ラックに「自転車に乗って」という自転車にまつわるエッセイを集めたアンソロジーを発見。パラパラとめくったら、目次に夏目漱石の自転車日記というのがあったので、借り出すことにした。

後ろから読みはじめたら、最後から二番目に久世光彦の「自転車の時代」という5頁ほどの短いエッセイも収められている。その中で、久世は石坂洋次郎原作の映画「青い山脈」を通して自転車に憧れた中学生時代のことを書いている。この文章を読んで父のことを思い出した。1925年生まれの父は、久世よりもひと世代上になるから、映画を見たとすれば20代半ばにさしかかっている。   

76歳の時に20年ぶりに自転車に乗って怪我をした話は以前、「みーはー」というタイトルで書いたことがある。なぜ、あの状況で自転車に乗ることを思いついたのかはずっと謎だったのだが、久世の文章を読んで、ひょっとして、青い山脈への連想がそうさせたのかもしれないと、ふと思った。三浦雅士の書いた石坂洋次郎の逆襲についても、何年か前このブログに書いた。

父が亡くなって丸十年になるのか。





2024年11月30日土曜日

11月の読書

物語の生まれる場所* 木ノ下裕一 淡交社 2024
消費される階級* 酒井順子 集英社 2024
世界中の翻訳者に愛される場所* 松永美穂 青土社 2024
喫茶店のディスクール* オオヤミノル 誠光社 2023
京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る* 古川日出男 河出書房新社 2024
中学生から知りたいパレスチナのこと* 岡真理・小川哲・藤原辰史 ミシマ社 2024

2024年11月21日木曜日

冬到来

このまま冬なんて来ないんじゃないかと思っていた。
それほど、今年の夏はずっとずっと続き、ついこないだまで夏だった。
それでもやっぱり冬はやってきた。唐突に。

涼しくなりましたねという言葉を使う機会もなく、
いきなり、寒くなりましたね、と挨拶をする。
体の中に残る暑さの記憶と、現実の気温がぶつかり混乱している。

グリーンカーテンのゴーヤをようやく下ろす。
葉の間に隠れていた小さめの実が姿を現し、最後の収穫。
木槿の葉は赤くなって落葉。
玄関先の紅葉は今年は葉をつけず、幹の皮も割れてしまった。

ファンヒーターはまだ箱から出してない。
かろうじて、ホットカーペットを敷いて、当面の寒さ対策だけはした。
さて、今日は火鉢に炭を熾して入れてみよう。

で、冬がやってきた。