2024年7月1日月曜日

分裂を引き受ける

整体協会はその出自からして反西洋文明的、前近代的存在といえる。
とはいえ、だれしも現代を生きているわけで、近代と前近代、西洋文明的と反西洋文明的なるものとの分裂の中で生きざるをえない。文明的なものとは、強迫症的な病に囚われてしまうということで、このあたりの構造はイリイチが警告とともに書いてきたことでもある。今の時代、文明的なるものに呑み込まれることなく正気を保つためには、分裂を引き受ける覚悟を持ち、分裂の狭間で生きる技を身につけていくしかない。おそらく、整体協会、あるいは身体教育研究所に存在意義があるとすれば、その正気を保つ技を発見継承させていくことだろう。言い換えれば、国を問わず、正気であろうとする人たちは一定数(少数派かもしれないが)存在しているが故に、もし十人の人間が、この道で生きる覚悟さえ持てば、僕らの道は、たとえそれが細々としたものであっても続いていくだろう。