夕立が通り過ぎたので庭に出てみた。
ゴキブリ風の生きものがもぞもぞ動いている。
にしては、動きがとろい。
蝉の幼虫だった。
蝉の抜け殻はしょっちゅう見つけるが、歩いている姿を目撃したのは初めてだ。
のそのそと簾を登りはじめ途中で止まった。
数時間後、もう一度様子をみたら、なんと脱皮を終えて、羽を伸ばしているところ。
脱皮の瞬間を見られなかったのは残念だが、しばらくその姿に見とれていた。
それにしても無防備。
無事飛び立っていくことを祈るのみ。
蝉は明け方まで同じ場所にいた。一晩かけて透明な羽根ををアブラゼミ特有の茶色に変え、ちょっと目を離している間に姿を消した