2024年11月21日木曜日

冬到来

このまま冬なんて来ないんじゃないかと思っていた。
それほど、今年の夏はずっとずっと続き、ついこないだまで夏だった。
それでもやっぱり冬はやってきた。唐突に。

涼しくなりましたねという言葉を使う機会もなく、
いきなり、寒くなりましたね、と挨拶をする。
体の中に残る暑さの記憶と、現実の気温がぶつかり混乱している。

グリーンカーテンのゴーヤをようやく下ろす。
葉の間に隠れていた小さめの実が姿を現し、最後の収穫。
木槿の葉は赤くなって落葉。
玄関先の紅葉は今年は葉をつけず、幹の皮も割れてしまった。

ファンヒーターはまだ箱から出してない。
かろうじて、ホットカーペットを敷いて、当面の寒さ対策だけはした。
さて、今日は火鉢に炭を熾して入れてみよう。

で、冬がやってきた。

2024年11月14日木曜日

歩く

遍路進まず。
5日続けて休みが取れれば、足摺岬から土佐路最後のお寺まで歩けるのにと思いながら稽古の予定表を眺めているのだが、残念ながら、その五日間というのが見当たらない。
稽古で忙しくしてるわけではないのに、途切れ途切れで予約が入っている。
もう来春まで無理。

暑い間は、外に出るのもうんざりだったが、ようやく歩く気分になってきた。
果たして長距離歩けるのか。一体どれくらい大丈夫なのか試してみることにした。
まだ長い距離では使ってないマンサンダルも試したい。

醍醐寺を目指すことにした。
わが家から南東の方向に16キロ。
地下鉄東西線の駅からも近いから、帰りは楽勝のはず。
自宅を出て1時間で京都御所。
そこから岡崎公園を抜け、京都国際会館を過ぎて蹴上。
蹴上は文字通り峠越えの道で山科に至る。
山科方面から急な坂道を登ってくる自転車の人たちが意外に多い。
電動アシスト車でなければきついだろう。

そして旧東海道に入って山科駅前。
たしかに洛中を京都とすれば山科は京都ではないな。
JR、京阪線、地下鉄と三つの線が交差する交通の要所。
大きめの地方都市に来たような感覚。
ここまでで12キロ3時間。

少しくたびれた感じはあったものの、駅近くの公園でひと休みして再び歩きはじめる。
ここからは南に向かう。広いバイパスに沿って歩く。
こういう車の多い道を歩いている方が遍路の感覚に近い。
それくらいお遍路では車と一緒に歩いている。
道路沿いにお店の分布は典型的な郊外型のものになる。

車道を外れて旧道に入る。
基本、南に向かって歩いていけば醍醐寺にたどり着くはず。
山科刑務所の壁を右に見ながら南下。
思いの外、醍醐寺までの道のりは遠かったが、なんとかたどり着く。
はじめての醍醐寺。
紅葉で有名なお寺だが、紅葉には早い。
参拝客もまばら。半数はインバウンドのひとたち。

そこから地下鉄の醍醐まで歩き、地下鉄に乗る。
足袋➕マンサンダルの組み合わせは上々。
お遍路だと、7、8キロの荷物を担ぐことになるのだが、その場合、どんな感じになるのだろう。

11月なのにゴーヤ

いまだにゴーヤの収穫が続いている。
例年ならもうグリーンカーテンを外して、ぼちぼち冬の準備をはじめるころなのに。
葉っぱの黄変も遅い。花も咲いている。
その花めがけて蝶が来る、蜂が来る。
おまけに、葉っぱの影に潜んでいたゴーヤの実が突然立派な姿を現す。
よくよく探してみると、人差し指大の実が、まだ5、6本はぶら下がっている。
10月末に百本目を収穫したところまでは記録をつけていたのだけれど、それ以降は記録なし。
もう季節感がますますわからなくなってきた。



2024年11月3日日曜日

EU2025 その3

というわけで準備を始めた。

an introduction to Seitai 3.0 というタイトルでエッセイを書き始めた。
3.0に深い意味はあまりない。まあ、新しいというくらいのもの。
近年の機械翻訳の進歩は素晴らしく、Google翻訳でも相当のレベル。
このブログページの一番下に「翻訳窓」があって何ヶ国語にも翻訳される。
とはいえ、そのまま人に読ませられるかというと、それは無理だ。
操法がmanipulation と翻訳されると、バカヤローと怒鳴り返すしかない。
もちろん有料のものを使って、単語の対応表で照合できるようにすれば、一気に完成度は上がるに違いない。ダン先生の講義録PDFを丸ごと機械翻訳に入れれば、あっという間に翻訳完了ということも可能な時代に入ってきている。でも、その翻訳が正しいかどうか誰がチェックするんだという話。

ずいぶん危うい時代を僕らは生きている。


2024年10月31日木曜日

稽古日程 2024年11月〜12月

等持院稽古場11月の稽古日程です。

等持院稽古場での集団稽古は以下の通りです。予約制です。
・公開講話  12月14日(土)11時〜14時 会費3000円
・筆動法   11月23日(土)12月21日(土) 14時〜17時 会費3000円
・活元運動3.0 12月14日(土)14時30分〜17時30分 会費3000円 
  動法〜活元運動〜愉気〜整体操法の関係性を探っていく試みの稽古です。

  11月17日(日) 12月8日(日)10時〜13時 会費3000円 

下記カレンダーが最新です。このカレンダーが表示されない場合、ブラウザを変更すると上手く表示される場合があります。



2024年10月30日水曜日

10月の読書

中学生から知りたいウクライナのこと* 小川哲・藤原辰史 ミシマ社 2022
 発行年は2022年。戦争が始まったのが2月。3月に小川哲 と藤原辰史 がオンラインで対談。その対談をベースに#ミシマ社 が書籍にしたのが6月。そのスピード感には畏れ入るしかない。その本を発行から2年経った2024年に読んでいる。戦争は継続中で終わる気配はない。本書を通しウクライナの歴史を知ると近隣の大国に翻弄され続けている朝鮮半島との類似性に目がいく。そこに北朝鮮兵士がウクライナに送られるというニュース。まるでベトナム戦争をなぞるような展開ではないか。住んでいた土地を追われる人々。外貨稼ぎのため大義のない戦争に駆り出される兵士たち。もの言えぬ市民たち。なんとも辛い。

隣の国の人々と出会う 斎藤真理子 創元社 2024
 말 マル(言葉)、글 クル(文)、소리 ソリ(声)、시 シ(詩)、サイ 사이(間)という章立てでできあがっている160頁ほどの本。正方形に近い判型で手触りが良い。文法的には近い韓国語と日本語なのに体の文法はまるで違う。二つの生きた言語の間を往き来することで得た経験と知見が肌理の細かい配慮の行き届いた文章でしるされている。「韓国文学の中心にあるもの 」の時もそうだったが斎藤真理子 さんの本を読むと、もう一度超長期中断中の韓国語学習に挑戦したくなってくる。
 
ニッポン茶室ジャーニー 藤森照信・はな 淡交社 2024
マリリン・トールド・ミー* 山内マリコ 河出書房新社 2024
経済と人間の旅 宇沢弘文 日本経済新聞社 2014
コモンの「自治」論* 斎藤公平・松本卓也編 集英社 2022

2024年10月17日木曜日

同窓会

同窓会をやるというので顔を出してきた。
同窓会といっても、1970年代のなかごろ、京都左京区の下鴨界隈にたむろしていた当時の若者が半世紀ぶりに顔を合わせようというものだ。タイに住んでいるイギリス人歴史学者、アメリカと日本を行き来している仏教学者と日本語教師の夫婦。それにアメリカ人版画家とその奥様。カップルはともにアメリカ人日本人という国際結婚組。みな70代に入っている。それぞれ半世紀を生き延びてきたわけで、それだけでも十分に感慨深い。

話の内容は、1970年代の京都にあった外国人コミュニティ内での出来事に終始する。今に比べると、まあなんともおおらかな時代であった。そんな宙ぶらりんなコミュニティの隅っこに僕自身生息していたわけだ。旧交を温め、一応再会を期して別れてきた。

帰宅したら社会言語学を教えている知人から珍しく電話がかかってきた。長々と話しているうちに、その日会ってきた友人たちの話も出た。驚いたことに、その女性ーイ・ヨンスクさんーの代表的な著作「国語という思想」を英語版「The Ideology of Kokugo」に翻訳したのが、さっきまで一緒に喋っていた僕の50年来の知人ーMaki Hirano Hubbardさんその人であることが判明し、腰を抜かした。世の中狭すぎる。