■津山は次回に回すことにして、岡山に向かうことにした。意地でも往復運動を回避。ホテルが岡山駅まで無料バスを出しているというので、それを利用することにした。出発は11時。それまでの時間を使って、生まれ育った町を散歩することにした。■おそらく20年も前のことになるが、同じようにこの町を歩いたことがある。子供の時の記憶に比べ、町は思っていたよりずっと小さく狭かった。その20年前よりも、さらに町はゴーストタウン化していた。夏草や強者どもの夢の跡。廃墟ツアーができそうなくらいだ。半世紀経つと、町はこのように変貌してしまうのか。日本の津々浦々で見られる風景に違いない。■河原に出てみた。この河原で遊んだのが、ボクの一番古い記憶。母親は他の女たちと一緒に、河原で洗濯をしていた。そんな記憶である。昭和30年−1955年前後、つまり60年前の記憶だ。水遊びして溺れかけたのも、この川だし、平らな石を向こう岸に向けて投げたのも、この河原だった。町の風景は変わってしまったが、川は同じように流れていた。▪️さて、もうすぐ岡山駅だ。