2017年5月20日土曜日

あなたの体は9割が細菌

今年これまで読んだ本の中では群を抜いて面白かった。肥満は伝播してきた、免疫系における虫垂の重要性、自閉症と大腸の関係、経道出産時における母体から新生児への免疫系の伝達、等々。大腸のマイクロバイオータと呼ばれている細菌群の多様性とそのはたらきについて書かれている。ここ百年ほどの間に、抗生物質に代表される薬品が使われてきたことで、何万年もかけて築きあげられてきた人体と細菌の共存関係が毀損され、さまざまな問題の原因となっている。眼から鱗が何枚も落ちた。と同時に、晴哉先生の慧眼にいまさらながら驚かされた。禁糖前と禁糖後のマイクロバイオータの多様性の比較などしてみると、どんな結果がでるだろう? これから子どもを育てようという世代必読(稽古もしてね)。原題は"10% Human". 「10%だけ人間」という邦題だと売れないな。

あなたの体は9割が細菌 アランナ・コリン著 河出書房新社 2016