独り稽古を覚悟して墨すりを始める。で、何を書こうか。書棚から芭蕉の七部集を取り出す。冒頭にあるのは「冬の日」の巻で、発句は「狂句こがらしの身は竹斎に似たる哉」とある。いきなり意味不明。そういえば安東次男の『風狂始末』もあったはず、と再び書棚に当たり『風狂始末』を見つける。この発句の解説に五頁を費しているが、その解説を読んでも理解不能。仕方なく声に出して読む。一通り読んだところで半折に発句を三行に分けて書く。次は脇。「たそやとばしるかさの山茶花」。これまた意味不明。こんこんと山茶花とはどのような花なのかを、これまた五頁かけて解説している。読んでいるところに、Kさん到着して中断。ホッとする。ここから、書き初めモードに変更。更に遅れてUくんも登場。ウォーミングアップに続けて、「今年の一字」を探っていった。まずは、三人組で一枚の紙に書いてみる。「美」「溶」「空」。(デジカメ持ってきてなかったので携帯で撮影。後日、
http://fudedoho.blogspot.com/ に載せます) 次に、時間的な「遠く」を想い浮かべて出てきた感覚に字を与えるという課題。私が書いたのは「是」。いまにも走り出しそうな「是」になった。これが私にとっての今年の一字、ということになる。