稽古場をつくるときは、公私の別をつけるのが原則。自宅と離れた独立した稽古場が理想で、自宅に稽古場を設けるときは、一階と二階で機能を分けるといった工夫をして、住の部分と稽古の空間に分別をつけるのが望ましい。
ただ、この等持院稽古場は平屋なので、空間で分けることはむずかしい。職住近接どころか職住一体、公私混同の極みである。唯一、「私」の空間は書斎ということになるが、トイレに向かえば、書斎の前を通るし、その散らかり具合も目にすることになる。ドアを閉めておくことで「私」を保つやり方は採らない。そもそも、男子の更衣室となることもある。やり方とすれば、私自身が稽古場化する、あるいは備品化するしかない。透明人間化するといってもよい。
それにしても、ブログタイトル通りの稽古場になるとは、ブログをはじめた2004年には予想もしなかった。当時は、仕事がどんどん私生活を蚕食していくような公私混同だったが、ここでは公私の別さえも消えている。