2018年6月7日木曜日

横川澄夫さんを囲む詩と歌の夕べ

山下佳代さんが頻繁に夢の中に現れてくるようになったのは、昨年の秋も深まった頃だが、それを運んできたのがユズルさんではなくて、別の人だと気づいたのは大分あとになってからのことである。

それはともかく、6月4日、誘われていた「横川澄夫さんを囲んでの詩と歌の夕べ」に顔を出してきた。実際のところ、横川さんとは直接の面識はなく、何度か自作詩を朗読されている姿を、おそらくほんやら洞かどこかでお見かけしたことがあるくらいの関係で、言葉をかわしたのはこの日がはじめて。ただ、水口きみやさん経由でいただいていた横川さんの「北白川のTの字交差点」(1994)という福本早穂さん編集の詩集はずっと本棚に並んでいる。

宮崎さんの乾杯の音頭の後、水口さん、ユズルさん、志津子さん、わくさん、昌子さんたちの歌と詩の朗読に続き、横川さん登壇。入れ歯を気にしながら何編かの詩を朗読。1930年生まれということは、御年88歳。かくしゃくとしたものである。そして、詩のタイトルは養生訓。「分からない言葉は使わぬがよい」というのはいいですね。ほとんど40年前の仲間たちが集った同窓会のような会であったが、この場に居られてよかった。

帰ってきて、横川さんの詩集を取り出し、その隣にあった山下佳代編「結婚パック」(1985)も引っ張り出し、ついでに、去年、ユズルさんにいただいた「レクスロス詩集」も出してきて並べてみた。「女子学生のためのレクスロス詩賞」入賞者を再招集するという企画も急遽浮上した模様。これは楽しみに待つしかない。

「結婚パック」のあとがきに、佳代さんはこんな風に書いている。「この一年間でずいぶん赤ちゃんが身のまわりにふえて、女性詩人にもお母さんがふえました。.... とりあえず、ここに出ている詩人たちが集まって朗読会、そこでわたしは子どもたちをあずかってニコニコして詩を楽しむのです。」 いまでは、その子どもたちが親になっているのだ。佳代さんが亡くなって29年になる。