その日、何を稽古していくか決まらないことはある
では、それが定まらない時、どうするか
古いノートを引っ張り出してくるのも一案だが、掃除をはじめることの方が多い
つまり、場を整えて、やるべきことが「降りてくる」のを待つ
場を整える
稽古の場を俗から切り離す
稽古の場を生活の場から分離させるというのは、常識といえば常識
等持院で稽古場をはじめるときに腐心したのはこの一点に尽きる
ただ、平屋建て一軒家
生活の場を稽古の場から分離させることは物理的に無理なのだ
ぼくが採用した戦略は、すべてを開け放つこと
ドアは閉めないー書斎は男性用の更衣室となる
台所も開放するー実際、喫煙場所でもある
僕自身を限りなく備品化させていく
これしかない
ただ、これが可能であったのは、僕自身が非性的な存在
として京都に降り立ったからでもある
演技するまでもなく、実際、そういう存在であった
ここ一年は、「俗に還ってきた」一年であった
では、「俗に還ってきた」私に、この稽古場を維持していくことは可能なのだろうか?
結構、瀬戸際な感じ