2022年2月1日火曜日

20冊の本

先月の石川。読む本がなくなって駅ナカの書店を覗いた。北海道の地方都市の小さな書店主がはじめた著者と読者をつなぐ「一万円選書」(岩田徹 ポプラ新書)という挑戦について書かれた新書を見つけた。滅法面白い。1ヶ月百名限定で、その人が読んだらよさそうな本を一万円分店主自ら選び、異存がなければ買ってもらうという試み。事前に調査票(選書カルテと呼んでいる)を出してもらい、それをもとに本を選んでいく。店主が提示する本の数々。びっくりするくらい、僕のアンテナに引っかかったことがないタイトルが並ぶ。一年百冊x60年として6千冊くらいの本は読んできたはずだけど、世に出回っている書籍の数からいえば、ほんと氷山の一角どころか、砂漠の数粒の砂に過ぎないことがわかる。「これまで読んできた本の中で印象に残っている本をベスト20を教えてください」という設問がある。さて僕なら、どの本を選ぶだろうと、わが読書歴を振り返ってみるのだが、20冊挙げるというのが、とんでもなく難しいことに気づく。僕など、読む端から忘却していく人なので、覚えていない。子供の頃から時系列に思い出そうとするのだが、5冊しかでてこない。1) 地底旅行(ベルヌ)、2) コンチキ号漂流記(ヘイエルダール)、3) なんでも見てやろう(小田実)、4) 荘子、ときて、いきなり直近で読んだ 5) 分解の哲学(藤原辰史)に飛んでしまう。20代以降、いったいどんな本を読んできたのだろう。この「一万円選書」、ブックガイドとしても秀逸。いつか、一万円選書、お願いしてみたい。まずは、ベスト20を選んでおかねば。