孫たちと付き合っていると成長というものががいちようでないことがよくわかる。順調に成長していても、それが停滞する時期はある。踊り場と呼べるような時期。そんな状態になると、子ども心にも不安になるのか、「じーじ、面白いことない?」などと訊いてくる。そんな時には、「そうだね〜」と相槌は打っても、これはどうあれはどうと方向性を示すことはしない。この時期は、力を溜めている時間なのだろう。数ヶ月しないうちに、自分の興味をちゃんと見つけてくるものだ。
大人にももちろん踊り場はある。この9月ひと月はそんな時期だった。月初めの白山稽古会行きが頓挫したこと。70になって見えてくる風景が変わったこと。耳が遠くなり、これから先どんなふうに稽古を進めていけばよいのか迷っていること。いろんなものが重なって方向性が見えなくなっていた。おまけに9月は毎年不調な月でもある。こういう時は、じたばたしても仕方がない。粛々と稽古して、読書に励み、あとは土いじりをして時を過ごす。
ぼちぼち踊り場を抜け出す時期にたどり着いたようだ。月末三日間の稽古会が始まり、久しぶりに本格的な脱力動法などをやり、歩むべき方向が見えてきた。白山登山で得た教訓どおり、一歩一歩進むだけだ。