2024年4月29日月曜日

4月の読書

ロッキード* 真山仁 文藝春秋 2021
マンモスの抜け殻*  相場英男 文藝春秋 2021
涙にも国籍はあるのでしょうか*  三浦英之 新潮社 2024

アジア発酵紀行 小倉ヒラク 文藝春秋 2023

 糀生活丸一年。塩糀、醤油糀、玉ねぎ糀は、もはや必需品。白山に行くたびに糀屋さんで糀を買ってくる。大半は甘酒になる。先週には仕込んでおいた初めての手前味噌を開封。美味しいじゃないか。小倉ヒラク さんの手前味噌の歌を聴いてから7年は経っている。このアジア発酵紀行 、糀のルーツをたどって、中国雲南省、ネパール、インド東北の国境地帯に足をずいずい踏み入れていく。


ケアの倫理 岡野八代 岩波新書 2024

 今月から近所のシェアキッチン yourではじめる「からだを失くした現代人のための身体教育論」の背後に「整体育児論はフェミニズムと出会えるのか?」というテーマが隠れていることに気づき、自分で驚いた。この本の中では、哲学史における「正義の倫理」と「ケアの倫理」が対比されるかたちで説明されていて、なるほど、哲学をする人たちは物事をこのように考えるのかと半ば呆れ、半ば感心してしまった。驚いたことに、1970年代になるまで、女性視点での哲学は哲学業界では考慮されてなかったのだ。「正義」というのは、多分、justiceの訳語で、この倫理がまとう家父長的な色合いは、おそらく育児という仕事が奴隷によって行われていた時代にまで遡る。つまり、人の出発点を個人、「独」からスタートさせようとする。一方、ケアの倫理だと、関係性、「双」の視点を取り入れようとしている。この展開は面白い。野口晴哉が「育児の本」を書いたのは1950年代。この時点で、「双」の視点は組み込まれているし、なによりも「子供」の視点に立っている。

2024年4月26日金曜日

your夜学

第一回目のyour夜学、無事終了。
参加者は11名で、うち等持院稽古場関係者が5名もいたので、アウェイ感はあまりなし。
等持院稽古場は、ずっと個人教授中心でやってきたから、横の繋がりはあまりない。なので、一昨日のyour夜学で初対面というケースもあったりする。僕の話が終わったあと、にんじん食堂さんに作っていただいた弁当をみんなで食べるという光景も新鮮だった。

話は総論で終わってしまった。
稽古らしきものもひとつ入れたが不発。
録音しておくつもりだったのに、緊張していたせいか、鞄から取り出すのを忘れていた。
次回5月22日(水)は、「体力とは」という話をしますと予告。
2回目からでも参加できます。

2024年4月25日木曜日

身体観の変遷

 これまで、身体観の変遷という話をする時に、「明治維新」「経済高度成長期」の二つを画期としていた。ところが、今回、外で話をすることになって、あらためて身体教育研究所の30年を振り返るなかで、この30年もまた、身体にとってとんでもない時代であったことに気づくことになった。

 ウォークマンの出現したのは、僕が留学生関係の仕事をしていた1980年の前半(初代発売は1979年)のことなのだが、学生と連れ立って出かける折、歩きながら、あるいは電車の中でウォークマンに聞き入っている様は、異様に思えたし、せっかく海外の地に身を置きながら、周囲の出来事に注意を払わないとは、なんともったいないことかとため息をついた覚えがある。

 そこから、時代はPCが跋扈する時期に突入し、さらには携帯電話、そしてスマホと移ろっていく。もはや、で電車の中でスマホ画面を眺める人間が多数派を占め、歩きスマホという言葉が出てくるくらい、人は、自分の周囲に注意を払わなくなってしまっているのだ。

ここ40年の新製品、新サービスの出現を時系列で並べてみると、こんな感じ。
1979 ウォークマン登場
1981 pc-8801販売開始
1986 ニフティサービス開始
1994 インターネット
2000 携帯電話
2007 iPhone登場

 僕自身、新しもの好きの元電気少年だったから、なんだかんだといって、テクノロジーを追いかけてきたし、仕事でも率先してパソコンを使ってきたから、目くそ鼻くそを笑う体なのだが、稽古することで、かろうじて体を失くさずにここまで生き延びてきたとも言えなくもない。ここからは、「便利」をひとつひとつ手放していくしかない。

2024年4月23日火曜日

1974年4月

 1974年3月を振り返るはずだったのに、気がつけば、もう4月の下旬ではないか。3月は飛ばして、まずは、半世紀まえの4月を振り返ることにする。

 フィールドプロジェクトは三ヶ月と定められていて、学生たちは、4月にはニューヨークのキャンパスで再集合する。しかし、自分は、三ヶ月でここで何を学んだというのだ。やっと、子どもたちとの関係ができあがってきたばかりではないか。もう少し、ここに留まりたい。アドバイザーに連絡し、こちらの希望を伝え、サンタフェ滞在を学期が終わる5月末までのばしてもらうことにした。4月の再集合(evaluation period)の代わりに8月にある編入生のためのオリエンテーションに参加すればよいとの許可も得た。

 4月前半は、こんなかんじ。

4月1日santa feu.s.a.料理当番 すきやき
4月2日santa feu.s.a.
4月3日santa feu.s.a.
4月4日santa feu.s.a.
4月5日santa feu.s.a.
4月6日santa feu.s.a.
4月7日santa feu.s.a.
4月8日santa feu.s.a.フィールドトリップ Rio Grande Zoo
4月9日santa feu.s.a.
4月10日santa feu.s.a.
4月11日santa feu.s.a.
4月12日santa feu.s.a.イースター休暇
4月13日santa feu.s.a.


 4月半ばでイースター休暇に入る。学校もしばらくお休み。この期間を利用してメキシコに出かけることにした。以下は、十年前に書いた記事。

1974年4月 To Mexco

2024年4月17日水曜日

【予告】能登半島地震被災者支援 輪島漆器展示頒布会

 糸魚川市在住の山田修さん(ぬなかわヒスイ工房)は、2月から能登半島地震の被災地支援に継続的に入っています。その支援活動の中で出会った被災者の一人から、災害関連ゴミとして処分される寸前の輪島漆器を大量に預かることになりました。ただそれを代行販売して義援金とするには、法的問題をクリアするとともに、膨大な労力が必要とされました。その活動を側面支援するため、今回、山田さんが販売にこぎつけた輪島漆器を等持院稽古場で展示販売する機会を設けることにます。売上金は全額、義援金として器の持ち主に手渡されます。


【日時】 5月を予定しています。詳細が決まり次第、あらためて告知します。

【場所】 等持院稽古場

【問い合わせ】 等持院稽古場・角南(すなみ)まで。


ぬなかわヒスイ工房 (https://nunakawa.ocnk.net/)から通販での購入も可能です


糸魚川タイムズに掲載された山田さんの記事 https://j-times.jp/archives/57703




2024年4月15日月曜日

マンサンダル

 ベアフットランなるものをやっている稽古仲間に教えられたマンサンダルを試している。無論、お遍路に使えないだろうかという目論見による。こんな薄いシートでコンクリートの硬さに対応できるのかという疑念はあったのだが、これを履いてー主唱者は纏うという言葉を使っているー歩いてみるとすこぶる良好。

 足の裏全体が感覚器となって、体全身で衝撃を吸収している。二重曲面の下駄に近い感覚だ。ともかく軽い。測ってみたら両方で100グラムに満たない。歩きながら、ほんと履いているのか時々足元を見てしまうくらいだ。体重50キロを移動させるためには、かなりの負荷がかかるはずだが、その負荷を分散させるには、足自体を細かく割っていくことが求められる。脚が喜んでいる感覚はある。

 第一号はオーダーしたのだが、第二号は自作することにして、さっそく素材を買い揃えてみた。あとは革細工用に使うポンチがあれば準備完了だ。

 以下は自分用メモ。ビブラムシート 8338 、 パラコード 7 strand core 550 4mm