中学生から知りたいウクライナのこと* 小川哲・藤原辰史 ミシマ社 2022
発行年は2022年。戦争が始まったのが2月。3月に小川哲 と藤原辰史 がオンラインで対談。その対談をベースに#ミシマ社 が書籍にしたのが6月。そのスピード感には畏れ入るしかない。その本を発行から2年経った2024年に読んでいる。戦争は継続中で終わる気配はない。本書を通しウクライナの歴史を知ると近隣の大国に翻弄され続けている朝鮮半島との類似性に目がいく。そこに北朝鮮兵士がウクライナに送られるというニュース。まるでベトナム戦争をなぞるような展開ではないか。住んでいた土地を追われる人々。外貨稼ぎのため大義のない戦争に駆り出される兵士たち。もの言えぬ市民たち。なんとも辛い。
隣の国の人々と出会う 斎藤真理子 創元社 2024
말 マル(言葉)、글 クル(文)、소리 ソリ(声)、시 シ(詩)、サイ 사이(間)という章立てでできあがっている160頁ほどの本。正方形に近い判型で手触りが良い。文法的には近い韓国語と日本語なのに体の文法はまるで違う。二つの生きた言語の間を往き来することで得た経験と知見が肌理の細かい配慮の行き届いた文章でしるされている。「韓国文学の中心にあるもの 」の時もそうだったが斎藤真理子 さんの本を読むと、もう一度超長期中断中の韓国語学習に挑戦したくなってくる。
ニッポン茶室ジャーニー 藤森照信・はな 淡交社 2024
マリリン・トールド・ミー* 山内マリコ 河出書房新社 2024
経済と人間の旅 宇沢弘文 日本経済新聞社 2014
コモンの「自治」論* 斎藤公平・松本卓也編 集英社 2022