映画「演劇1」「演劇2」を観てきた
観察映画の想田和弘監督が劇作家平田オリザを撮ったもの
体調最悪で、一本だけ観てくるつもりで出かけたのだが、結局2本まとめて観ることに
2時間50分x2、延べ6時間、映画館のシートに座っていたことになる
「演劇1」の冒頭で出てきたのが、「冒険王」という作品
アジアの安宿に集まった日本人バックパッカーの会話で構成されている
この会話劇でいきなり「既視感」ー正確に言うと、既視感ではなくて昔の自分の姿なのだがーがいっきに押し寄せてきて、
体調の悪いことなど忘れてしまった
80年代のイスタンブールが舞台らしい
僕がイスタンブールを通過したのは74年のことなのだが、イランのビザを取るのに手こずり、十日間この街の安宿で過ごしたことがある
世界をさすらっている日本人の溜まり場で、日本を離れた期間が長いほど大きな顔ができる、妙な社会ができあがっていた
そのさすらい人たちの会話を聞いて「ちゃんと日本に帰らなきゃ」と決心した
そんな体験がいきなり甦った
平田オリザの名前はもちろん知ってはいるが、青年団の舞台って見たことがない
一方、想田監督の作品は、「精神」「選挙」と何本か観てきて、観察映画と呼ばれている方法論のもつ透過性に共感してきた
その想田監督が平田オリザを撮ったとなれば、観に行くしかない
半日映画館に座っていて、観察映画って、観客が体験する映画、
映画を体験するんじゃなくて、素材を体験する映画なんだろうと思い至った
きっと、「カタ」のもつ引き算の役割に注目している監督なんだろうね
そうそう、それと猫たち