2014年8月25日月曜日

ピアノ搬出

ピアノが、わが家に来たのは15年前
娘も最初の5年くらいは熱心に弾いていたが
高校に入ってからあとは、
ピアノに向かう頻度はぐっと減り
忘れた頃に、ポロンポロンと鳴らすくらい

このまま退蔵させておくのは申し訳ない、と
もともとの持ち主に訊ねてみたら
係累に使ってくれそうな方がいらっしゃるという
渡りに船と、譲っていただいたピアノをお返しすることになった
今日、運送屋さんが来て、手際よく運び出していったのだが、
随分とあっけない
なんだか古巣に帰れるのをよろこんでるみたいだったな、あのピアノ

そういえば、このピアノについて書いたことがあるなと、
ファイルの奥をゴソゴソ探してみたらありました

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■ピアノの発表会で娘と「連弾」したことは、以前書いた。今年の春のことである。その時、つくづく思ったのは、ピアノと電子ピアノはまったく別物であること。あったりまえじゃないかと言われれば自分の無知を恥じるしかないが、弾いてみてはじめて実感した。よく、4年もの間、別物で我慢してくれていたものだ。そんなわけで、どうしてもピアノを買ってやらねばならぬ状態に陥った。しかし、ピアノは高価であるし、それ以上に狭い家に住む身分にあって、はっきりいって置き場所がない。つまり、板挟み状態。■そんなとき、人を介して、今は使われていないピアノを借り受ける話が舞い込んできた。Bealeという、ほとんど知られていないメーカー製の小型ピアノ。イギリス製ということだったが、どうやらオーストラリア製。1902年、初代オーストラリア首相のバートン卿によって創立され、第二次大戦中に会社自体がなくなったというところまでは、インターネットで調べることができた。もっともイギリスにも同じ名前の会社があった可能性がないわけではない。いずれにしても、作られてから半世紀以上たったピアノであることは間違いない。今の持ち主自身、30年は使っていたはずだ。■夏休みの終わり、娘と二人でどんなピアノか観にゆかせてもらったのだが、とにかく可愛いし音もいい。(ずいぶん広い部屋に置かれていたから、実物がわが家にくるとどう感じるか心配ではある)。少なくとも、標準とされる大きさのピアノよりは威圧感がなく、かろうじてわが家に納まりそうだ。新品のピアノにくらべれば、調律・整備はより頻繁に必要になりそうだが、使用料と思えば納得できる。ピアノの到着をこころまちにしている。【気刊あざみ野通信1999年9月】