2019年8月21日水曜日

カルカソンヌ

■ある本を読んで、そこに引用されていた本に移動するというのは、僕にとっての普通の読書スタイル。でも、ある本を読んで、そこからボードゲームに移るという経験はあまりしたことがない。■このところ、カルカソンヌというボードゲームをやっている。道を繋げ、草原を広げ、都市をつるくという単純なゲームなのだけれど、奥さんとふたりでやていると、あっという間に小一時間が過ぎてしまう。道が繋がり、街が出来上がっていく様を見るのが楽しい。一応、勝敗はあるのだけれど、やっているうちに、どれだけ美しい風景を生み出すかに焦点が移っていって、勝負のことは忘れている。ゆるい集注でゲームが進んでいくというのもあるけれど、終わったあと、草臥れない。■このゲームにたどり着く前に読んだのが、『知性は死なない』(與那覇潤 文藝春秋)という本。「気鋭の学者が鬱になり、その鬱と向き合うこで変わっていった過程の記録」とでもまとめられるのかもしれないが、それだとまとめにも紹介にもならない。不思議な読後感の本だった。当事者性と知性のありようについて真摯に語られている本である。この中で、著者が通ったデイケアで遊ばれていたゲームとして、このカリカソンヌが紹介されていた。やっと得点のルールを理解してきた段階なのだけれど、奥が深そうだ。これで三人四人とプレイヤーが増えていくと二人で遊ぶのとは違った姿を現してきそうな予感もある。