街を走っているTuktukの数が劇的に減っている。Grabというアジア版Uberのせいだ。ハノイで素晴らしいオリエンテーションをしてくれた鈴木さんも使っていたが、ベトナム用のSIMカードは用意してなかったので、利用するのはチェンマイがはじめて。アプリの地図で現在地と目的地を入力すると、即時に料金が表示される。予約ボタンを押せば、ものの数分で車がやってくる。ドライバーとのコミュニケーションは極少。乗客もドライバーもスマホの画面を眺めているという不思議な光景が出現する。一昔前までの、車に乗るまでの交渉駆け引きがすっぱりと脱落したかたちだ。言葉の通じない国で旅行する者にとって、これは福音なのか堕落なのか。タイでもGrabの法的な立場はグレーらしい。イギリスのUberドライバーの体験レポが載っている『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』(原題はただ”Hired”だが、この邦題はよい)と同じ問題を抱えているに相違ない。