城崎温泉にいく機会があったので、帰途、出石まで足を延ばすことにした。目的は蕎麦。
これには前段があって、今月頭、石川で、筆動法の稽古会をやったおり、稽古の翌日、客人のリクエストに応えるべく、鶴来ツアーを企画した。麹屋、白山比咩神社、そして蕎麦屋。白山稽古会の男性が車を出してくれて、女子3名が参加したのだが、帰りの電車の時間も決まっているし、蕎麦屋は行列しないと入れない店とのことだったので、全部は無理じゃないかと思っていた。その間、私は仕事。
最近、美味しい蕎麦にありついてない。時々通っていた、近所の若い亭主がやっているお店は、何年か前、ミシュランなんちゃらになってから、行列のできるお店になってしまった。コロナ禍中は閉めていることも多かったが、観光客が戻ってきた今、再び長蛇の列である。地元民は行けない店になってしまった。
普段の行いのよい人たちのグループだったのだろう、鶴来組はミッションを完遂して戻ってきた。麹も注文でき、美味しいお蕎麦も食べ、比咩神社にもお参りできとのこと。稽古会も盛況で、満足できる二泊三日の石川行きだったのだが、僕の中では、蕎麦にありつけなかった一点のみが心残りであった。
さて、出石である。城崎温泉から豊岡に出て、そこからバス。ゆるやかな道を内陸に向けて走っていくのだが、但馬は山の佇まいがよい。日本の豊かさって、結局、水の豊かさなのだと再認識する。出石は城下町。藩主の転封によって、信州風の蕎麦が出石に持ち込まれたとのこと。それにしても蕎麦屋だらけ。そのなかの一軒に入り、皿そば8枚いただいてきた。これで、ちょっと気が済んだ。