明治維新から現在に至る京都の喫茶店史を俯瞰した力作です。京都に多いものとして挙げられるのは「パン屋」「和菓子屋」「自転車屋」色々あるが、確かに喫茶店/豆焙煎屋の密度も高い。これが競合史とならず共存史となっているところが面白い。珈琲は自分ちで淹れて飲みことがもっぱらだけれど、巻末に掲載されているお店のリスト80軒のうち20軒は行ったことがあるお店だったのは意外。
五味太郎の本は結構読んでいるつもりだったけれど、この本に載っているものだけで350点を超えている(2016年時点)つまり最初期にものしか読んでなかったことに気づいた。幼稚園児が「五味太郎しよう」などという動詞を使ってしまうなんて、やっぱり五味太郎すごい。おじさんのつえ が好きです。
エラガント・シンプリシティ サティシュ・クマール NHK出版 2021
若い友人に教えられた一冊。さてと本を開いたはよいが、序文でつまずいた。いきなりE.P.Menonの名前が出てきて、ソファから転げ落ちそうになった。1962年、この本の著者であるサティシュ・クマールは核兵器廃絶を求めニューデリーからモスクワ〜パリ〜ロンドン〜ワシントンD.Cまで1万3000キロの巡礼を敢行する。その時の相棒がE.P.Menonだというのだ。
E.P.Menon氏は僕が初めてインドに行った1974年、僕が参加したプログラムのディレクター。ニューデリーでオリエンテーションを始め、アグラ、ウダイプールで終了。そういえば、当時の首相、インディラ・ガンディーとの面会もセットアップしてくれてたのを半世紀を経て思い出した。
プログラムの事務所はバンガロールにあった。そこを拠点に学生たちはインド各地で個々のプロジェクト(今風にいえばインターン?)に入っていくから、ディレクターと過ごす時間はそう長くない。それでも、巡礼ーpeace walkと呼んでいたと思うーの話は折にふれ聞いていたように思う。
その後、十年くらいは行き来があったような。そうだ、亀岡の花火大会に一緒に行った記憶がある。
E.P.Menon氏は僕が初めてインドに行った1974年、僕が参加したプログラムのディレクター。ニューデリーでオリエンテーションを始め、アグラ、ウダイプールで終了。そういえば、当時の首相、インディラ・ガンディーとの面会もセットアップしてくれてたのを半世紀を経て思い出した。
プログラムの事務所はバンガロールにあった。そこを拠点に学生たちはインド各地で個々のプロジェクト(今風にいえばインターン?)に入っていくから、ディレクターと過ごす時間はそう長くない。それでも、巡礼ーpeace walkと呼んでいたと思うーの話は折にふれ聞いていたように思う。
その後、十年くらいは行き来があったような。そうだ、亀岡の花火大会に一緒に行った記憶がある。
上野千鶴子がもっと文学を社会学する* 上野千鶴子 朝日新聞出版 2023
限界から始まる* 上野千鶴子・鈴木涼美 幻冬舎 2021
上野千鶴子 は胸元ギリギリの直球を投げ込み、相手打者をヒヤリとさせながら決してぶつけない稀代の投手なのですね。こんな風に、野球用語を使って説明しようなんて、僕の語彙力のなさの表れなのだが、この#限界から始まる 、娘世代の#鈴木涼美 に投げかける言葉には自負と愛情が詰まっている。スリリングな往復書簡集。
ワカタケル* 池澤夏樹 日経BP出版本部 2020