2025年6月28日土曜日

6月の読書

旅の伴に連れて来た2冊。
予想通りというか、たまに頁をめくるだけで、読んだとは呼べない。
これとは別に白誌47号、2023年7月の稽古会記録を持ってきた。
体を捌く。これっきゃない。





2025年6月27日金曜日

ドイツ稽古会

ドイツ稽古会は1973年にスタートしたらしい。
胃潰瘍だか十二指腸潰瘍の手術を控えていた、ある楽団に所属していた日本人ホルン奏者が竹居先生を訪ね、指導を受けたことが始まり。今回のドイツ滞在で、そのようなエピソードをそのホルン奏者本人とその連れ合いから聞いた。そこから、ドイツにおいては音楽関係者の間で整体の輪が広がっていく。

2001年から2013年までの間、ドイツ稽古会には数えてみると8回来ているが、いずれも合宿形式の会に呼ばれて稽古をしてきただけだったので、参加者と個別に話す時間はあまりなかったし、この会がどのように始まり、どのように続いて来たのかを聴くこともなかった。今回は家庭訪問のようにいろんな人の家を訪ね歩くことになり、一人一人の整体との関わりを聞き書きしている。

半世紀前にこのグループに加わった人たちは、このつながりを拠り所の一つとして、演奏者として、同時に生活者として年月を重ねてきた。リタイヤして、終の住処をどこに定めるかは、一人ひとりの大きなテーマであるし、半世紀続いて来た整体稽古会ーこちらではゼミナールと呼んでいるーも、この先どう続けていくのか、岐路に差し掛かっている。竹居先生が四半世紀ドイツに通い詰めて基礎を築き、その後を、若手指導者が引き継いで、これまた四半世紀。時代の変化とともに、当地の稽古会も姿を変えていくことになる。

2025年6月26日木曜日

【予告】薩摩琵琶とアイリッシュ・ハープ

【6/26】
着々と準備は進んでいます。
別建で、トリーナのソロ演奏会も計画しています。

【6/7】
二年前、京都でも演奏会をやった、チャーリー蘭杖が、今年は、妹でアイリッシュハープの名手であるトリーナとともに、ラフカディオ・ハーンをテーマにしたジャパン・ツアーをこの秋やります。京都でも開催の予定で、現在準備中。以下、ツアーの概略を記します。
ラフカディオ・ハーンと日本ー音楽でたどる旅

 ラフカディオ・ハーンによる怪談集『怪談(Kwaidan)』の中でも有名な物語「耳なし芳一」を音楽で描き出す、ユニークで国際的なパフォーマンス企画です。本プログラムは、ダブリンのトリニティ・カレッジ・ダブリン アジア研究センターおよび、現在アイルランド・アメリカ・日本を巡回中のラフカディオ・ハーン展のキュレーターであり、ダブリンのファームリー・ハウスのイベント主催者キーラン・オーウェンズの協力のもとに制作されました。

演奏 
トリオナ・マーシャル(ハープ奏者 チーフタンズメンバー)
ーマス・マーシャル・蘭杖(薩摩琵琶・パイプオルガン奏者)

プログラム
第一部: トリオナ・マーシャルによるアイリッシュ・ハープのソロ演奏。彼女独自の演奏スタイルと解釈でアイルランドの音楽を紹介します。
第二部: トーマス・蘭杖 が加わり、「耳なし芳一」の物語を軸にしたコラボレーションを展開します。
 ⚪︎『平家物語』からの琵琶語り
 ⚪︎鹿児島県の琵琶法師の伝統曲をハープと琵琶でアレンジした器楽作品
 ⚪︎アイリッシュ・リール「ザ・ミュージカル・プリースト」のアレンジ
 ⚪︎トリオナによるアイリッシュ・ハープ編曲の日本民謡「さくら さくら」
 ⚪︎力強くリズミカルな楽曲「くずれ」のデュオ演奏

日程:20251018日 ~ 113
訪問都市(予定): 鹿児島、熊本、京都、東京、千葉

今年3月の初演の模様(St.Ann’s Church, Dublin)が、YouTubeにアップされています。


詳細は決まり次第、随時、このブログに載せていきます。

2025年6月23日月曜日

はらぺこあおむし

去年、近所のスウィングキッチンyour でやった講座のとき、整体的成長論の補助線としてエリック・カール のはらぺこあおむしを取り上げた。食べて食べて腹一杯食べてお腹が痛くなり、蛹になり、やがて蝶へと変身する。メタモルフォーゼとしての成長を言いたかったわけだけれど、ドイツに来てみると、やはり、このお話は極めてドイツ的だと思わざるを得ない。よく食べることが成長の前提条件になっているし、限られたサンプルからの類推でしかないのだけれど、ドイツにおいて、食に関する躾はスパルタ的になされているようだ。

ちなみに、あおむしくんが食べたもののリストは次の通り。
月曜日:リンゴ
火曜日:洋ナシ
水曜日:プラム
木曜日:イチゴ
金曜日:オレンジ
土曜日:チョコレートケーキ、アイスクリーム、ピクルス、チーズ、サラミ、ロリポップ、チェリーパイ、ソーセージ、カップケーキ、スイカ
日曜日:緑の葉っぱ

(画像はAmazonから持ってきたものです)



2025年6月21日土曜日

ドイツに来て十日を過ぎ、なんだかんだ言って、当地に適応してきている。
日の入りが遅く(日没21時半)、時間感覚が狂ったり、食べ物の違いにおなかが戸惑ったり、異和感が抜けないものは多々あるけれど、最終的には水の違いというものに行き当たる。

一体、今の自分を構成している水分は、何日くらいで入れ替わるのだろか?
調べてみると、面白い研究をしている人たちがいて、その研究によると、成人で体内水分の一割が一日で入れ替わる、つまり十日で全取っ替え状態になるらしい。

硬水軟水といった違いはあるのだろうが、なんか大きさの違う粒子が体の中で揺れている感じなのだ。この違和感がなくなったとき、この地に順応したということになるのであろう。やはり、琵琶湖の水が懐かしい。



2025年6月18日水曜日

エルヴィン・フォン・ベルツ

Stuttgart近くのBöblingenという街に住む知人宅に食事に呼ばれた。
そこで出た話題のひとつに草津温泉のある群馬県草津町とこの近所のBietigheim-Bissingen(ビーティヒハイム・ビッシンゲン)市の姉妹都市の関係。この姉妹都市交流に、ここの女主人が通訳として関わったという。

なんで草津温泉なのかというと、日本の温泉療法を世界に紹介したエルヴィン・フォン・ベルツというドイツ人医師の存在がある。ベルツ博士は明治期にお雇い外国人として日本の医療制度確立に長年尽力した人物で、その出身地がビーティヒハイム・ビッシンゲン市ということなのだ。

このベルツ博士の話は、ダン先生の講話に時々出てくる。そう、人力車の車夫の話。質素な食事しか摂ってないにもかかわらず底抜けのスタミナを発揮する車夫に、栄養学的に豊かな食事を与えたら、車夫はその力を全く出せなくなったという話。

ドイツに来て一週間。控え目に食べているつもりなのに、つい食べすぎてしまい、お腹がもたれた感じが抜けない。隙間の稽古をやろうとしているのに、当地の食事は、その隙間を埋めようとしているかのようである。ちょっと気をつけなければ。

2025年6月15日日曜日

コモンとしての身体

12年ぶりにドイツで稽古会。
フランクフルトのDiakonessenhausという修道会の施設の一室を借りての小さな会。
よい雰囲気。半世紀続いている会の歴史を感じている。

体を捌く、隙間を捉えるをテーマに3コマ。
主語、所有格のはっきりしている言語の中で暮らしている人たちにとって、隙間は誰に所属するのか。

コモンとしての身体、という言葉が降りてきた。
ただ、話の中にこの単語をちらっと入れたら、スッと引かれたような気がした。




2025年6月13日金曜日

車と街並み

ドイツ3日目。
Recklinghausenという小さな街に住む知人宅でお世話になっている。
助手席に座って街中を車で走っていると、車と街並みが一体化していることに驚く。
家の前に、道路脇に車はいっぱい停まっているのだけれど、それが風景を邪魔してない。
京都だと車が街並みの風景に及ぼす異化感が半端ないのだけれど、ここではそれがない。
つまり、京都に、あるいは日本の街並みに車は基本似合わないのではなかろうか。



2025年6月2日月曜日

聴力補助

聴力補助機能付イアホンを使いはじめて一ヶ月。世の中は音で満ちている。雑音で溢れかえっているとも言い換えられる。そんな中で、人は必要な音を取捨選択して聞き分けて生活している。なんという高度な技なんだろう。音を増幅する機能によって、人の声は近くに聞こえるが、紙のカシャカシャ音とか、換気扇のザーザーという耳障りな音も同時に増幅される。

これまでなら最初から諦めていた大人数の会話の輪にも加われる。師匠の講義も以前よりフォローできている感じではある。不思議なもので、聞こえる状態はイアホンを外した後もしばらく継続する。内部に向かっていた集注が、イアホンを付けたことで外に向かい、その外に向かう集注が保持されるということなのだろうか。

でも、自分が聞いている声は、一体どのような声なのかという疑念は晴れない。きっと、これから先、対象の声を自動追尾する機能とか、対象だけの声を拾う機能とか、自動翻訳してしまう機能とか、どんどん付け加わっていく予感はあるけれど、果たして、それは声を聞いていることになるのか。所詮は、電気なしには成り立たない技術でしかないことを肝に銘じておかないと足元を掬われそうだ。

イアホンを外すと平和が戻ってくる。この静かな環境の中で、本当に僕は何も聞いていないのか。それとも、この娑婆に溢れている音以外のものに耳を傾けているのか。聴くという行為は奥深い。