2016年8月16日火曜日

送り火

東京からの来客があったので、キダさんに無理をお願いしてお店を開けてもらい食事し、北野白梅町まで電車で行こうと小雨の中、龍安寺駅に向かっていると、家々から人がぞろぞろ出てきて僕らと同じ方向に歩いていく。どこに行くのかと思ったら、嵐電の踏切の真ん中に人だかりができている。線路の先に大文字の火がちらちらと見える、らしい。白梅町にも人が大勢出ていて、信号が変わる度に、横断歩道の真ん中に出て、車の往来を邪魔しながら左大文字を見ようとしている。そう、道路の中央がいちばん見晴らしがよい。雨はどんどん激しくなり、天満宮方面に行って今出川通りの先の大文字を見ることは諦め、西大路を少し北上し、ほんの少しだけ大きく見える左大文字に満足することにした。それにしてもひどい雨。浴衣姿で京都の夜を優雅に散歩するはずだったのに、裾をからげて傘をさして歩くことになった。でも、ほんのちらりとでも送り火を見ようと外に出てくる京都人気質に触れられた。