引っ越してきた当初は、ひとりで市内をうろうろしていたことは確か
それでも観光気分というよりは、かつて自分が住んでいた町を再確認したい、
これから住む町を把握しておきたいという気分が先にある
定期借家契約だから、五年後、京都に住んでいるかどうかわからない
その分、一年一年を大事にしたい
最近は、生活圏が定まってしまい、街中に行く回数も減った
ましてや、観光名所と言われているところにひとりで出かけていくことはあまりない
例外は、来客があったとき
先月、岡山から叔母と従妹がやってきたときは、祇園・八坂神社に付き合った
従妹といっても50代の叔母さんなのだが、とにかく祇園に行ってなんとかパフェを食べたいと仰る
先日の来客は嵐山の祇王寺に行きたいというので付いて行った
嵐山まで嵐電で30分かからない
渡月橋を往復し、目星をつけた方向に歩きはじめる
竹林の小径と呼ばれる散策路に入り、だらだらと続く坂を登っていく
それにしても、この観光客の多さ
西行井戸という立て看板を見つけ立ち寄る
西行が庵を編んでいたところらしい
芭蕉の弟子であった向井去来もまた、この辺りに住んでいた
そして、この地域が小倉山と呼ばれた地であったことも知った
平安、鎌倉、江戸と歴史が積み重なっている
(牝鹿なく 小倉の山の すそ近み ただ独りすむ わが心かな)
祇王寺は苔の美しい小さなお寺だった
モミジの木もたくさん植わってしるから紅葉時もまた綺麗だろう
嵯峨野を歩いたのはいったい何年ぶりの事だったのだろう
たまに観光地を歩くもいいものだ