2019年4月19日金曜日

磁力と重力の発見

311が起こった翌月、師匠の操法を受けた
「しょぼんとしてるね」と言われた
たしかに、そんな感じ
でも、ぼくは何にしょんぼりしていたのだろう
8年経った今ふりかえる
僕の大好きだった電気の時代が終わってしまったことにしょんぼりしていたのだ

そもそも、なんで僕はラジオ少年になったのだろう
半世紀以上前の自分を思い起こす
高度成長期前の岡山の片田舎
家にあった電気製品は電灯、そして真空管ラジオ
電気アイロンもあったかもしれない
高度成長期が続くに従い、電化製品は増殖していく
ラジオが白黒テレビになり、洗濯機、冷蔵庫も加わる

ラジオは不思議だった
棚の上に鎮座したラジオのスピーカーから様々なものが流れてくる
ここでないどこかから発せられた音声が電波と呼ばれるものに乗ってやってくる
やがて僕は半田ごて片手に自らラジオを組み立て、海外からの放送を熱心に聴く、
そんな電気少年になっていった

*****

それから半世紀と少々
「磁力と重力の発見」を読み進めている
全3巻の大部
ようやく第3巻に取り掛かったところ
磁石の力は、どのように理解されててきたのかをギリシャの時代からたどっていく
磁石はなぜ鉄を引き寄せるのか
今だって不思議だし、説明せよといわれても、おそらくできない
元ラジオ少年、ましてや、高専の電気科に進んで電気のことをしっかり学んだはずなのに、
その元になる磁石の働きすら説明できそうもない

見えない力は魅力的だ
磁力は見えない、電波も見えない
なのに伝わる
ラジオ少年になったのも、のちのち気の世界に足を踏み入れたのも、
この見えないものへの魅力からだった、のかもしれない