2019年10月18日金曜日

役に立つ以前

ここでの稽古には合掌行気以前、活元運動以前、等々、「以前」がつく稽古が多い。そもそもが、師匠の提唱するのが「消える整体」だからして、基本、ここでは役に立たない整体を目指している。役に立たないを目指すとは、役に立つ以前を目指すということで、つまりはお百姓さんのいうところの土づくりの部分にあたる。この百年、僕らは、地中からモノを取り出してきては、それらを加工して、役に立つものに変化させ、さらには、ぼくら自身を役に立つ存在に変容させていくことで、豊かさと呼ばれているものを実現させようとしてきたのだけれど、結果として、どんどん土地は痩せて、人も痩せてきてしまったのではないだろうか。いま、「せうそこ」の逆バージョンを考えていてーさっき、思いついたのだけれどー整体を学んだことのある、いろんな分野のプロと呼ばれる人たちに、「いかに整体が役に立たないか」を楽しそうに語ってもらおうという企画なのだけれど、実現可能性はあるかしらね。