一対一の個人教授が主たる稽古形態になってしまった等持院稽古場にカリキュラムのようなものは特に存在しない。同じ時期に稽古をはじめる人が複数いたとしても、なにを入り口にするかはその人による。身体教育研究所として、基礎と呼ぶべき事柄、稽古はあるから、最終的には、坐法・臥法といったものは教えることになるけれど、それを必ずしも出発点としているわけではない。三年くらいかけて、ひとりひとりが、ぼくらが基礎としているものにたどり着けばよいくらいに考えている。
いろんなカリキュラムをつくることはできるだろうし、あらかじめシラバスのような形で提示してあげた方が、学びに来るひとたちにとっては親切な場合もある。どこかで書いたと思うのだが、皆が身体というものと一緒に日々暮らしているわけだから、ぼくらの稽古、というか整体は、老若男女、すべての職業人に向けて有効であるし、ある特定のひとたちを対象としたカリキュラムをつくりだすことも可能だ。
昔々、どこかにカリキュラム案をつくったことがあるなと、パソコンの奥をゴソゴソしていたら、出てきました。なんと2002年。対象は二十歳前後の学生で、中味も動法を中心に据えたものだけあって、ちょっと堅苦しい。いまなら、日本文化云々を全面に出すことはためらわれるし、表現も、もう少しソフトなものになるだろうな、とは思う。「蔵出し」として、このブログに挙げておいたので、興味のある方はどうぞ。