月末三日間二〇時間の稽古会を耳が遠いというハンディにもめげず(今号の特集です)終えた。ひとつ壁を乗り越えた気分。これで十月も終わり。今年もあと二ヶ月で終わりだ。スーパーに行けばオセチ注文の受け付けがはじまり、文具屋には来年の手帳が並ぶ。まったく信じられないというか、時間の流れが加速している。緊急事態宣言が解除されたこともあり、人も再び動きはじめた。十一月に入れば、紅葉目当ての観光客が京都に押し寄せてきそうだ。すでに兆候は現れている。修学旅行生の姿も増え、行きつけの蕎麦屋の前には行列ができ、道を走っている車の数も増えた。
娘のところの三男坊が生後十三ヶ月(整体における育児の区切り)を無事通過したので、一年半で二十回を数える僕の千葉通いも一区切り、のはずなのだが、はたして目論見どおりいくのかしら。たしかに、娘ひとりで男の子三人の世話をしていくのは大変で、僕が行くと子守三昧。一歳児の子守を六時間まかせられるジージの存在は、娘のママ友たちには信じがたいそうだが、別に特別な術を使っているわけではない。ただ子守が3日続くと、さすの僕もバテてしまう。大体月半に行って、帰ってくると下旬に差し掛かっていて、あっという間に月末三日間の稽古会がやってくる。その稽古会が終わると、何日もしないうちに、今度は石川行が待っている。十日続けて一箇所にいることがない生活。外の世界がスローダウンしている間、僕は動き続けていた。外の世界が動き始めた今こそ、静かな暮らしを取り戻したいのだが、はて。