韓日ダンスフェスティバル1995のDVDが回ってきた。
1995年、つまり27年前の映像。
室野井洋子さん、森(竹平)陽子さん、ふたりとも美しい。
楽屋でカメラに収まっている松井くん、榎田くんのハンサムぶりに驚愕。
え、こんなに男前だったっけ。
近々、等持院稽古場で上映会やります。
↓ 当時の文章が出てきたので蔵出ししておきます。
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あざみ野通信 071 1995.11.13
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韓国公演のための稽古をやっている最中に、何度か稽古場に足を踏み入れたことがある。なんとも形容しがたい空間がそこにあった。舞踏の室野井洋子さんと日舞の森陽子さんが一緒に踊る。こういう組み合わせは稽古場以外では考えられない。ダン先生曰く、室野井さんの踊りは、客体を消し、内観的身体だけを動かすもの、一方の森さんは逆に内観的身体を消し、客体だけを動かしていく踊りだと。僕が最初に稽古場で感じた、この形容しがたい空間はソウルでも出現した。そういう意味では、この公演は大成功と呼べるのではないか。踊りというものを「自己表現」として扱っている公演者が多かった中、稽古場組の出し物は異質だったと思う。「感応を用いた空間芸術」とでも呼ぶべきものだ。人は、その空間に形成される空気を感じることによってのみ、それを味わうことができる。
室野井さんに「表現する自分というものを意識していますか」と訊いてみた。「昔は、あったかもしれないけれど、今はない。料理をつくるのと同じ感覚で踊っています。下拵えをして、それを横に置いて、次の作業に移り、といった感じです」なかなか説得力のある答えであった。ソウルでの公演を見ているとき、「室野井さんはプロだなあ」と、ふと思った。なにをもってしてプロというのか、そこのところははっきり意識しなかったが、あとで考えると、舞台の上で何が起ころうと、すべて自分一人で背負ってやるという心意気、覚悟、そんなものを室野井さんの姿から感じたらしい。かといって、気負いとは違う種類のものだ。
(1995/11/1記)