2022年8月12日金曜日

白山 4

ストックと杖は似ているようで、内含する哲学は真逆を向いている。
ストックは握るし、握り方さえ指定されている。腕の力で地面を押して推進力にする。四足歩行。一方、杖は固く握らない。滑らせる。地面に突き立てない。杖は感覚器で、あくまで二足歩行の延長。杖の先を地面に置くことで、自分の腰の一点をを出し、その一点を前に進めることで、身体全体を前進させる。地面を押しはじめると、それはもう草臥れてきた証拠で、体は休憩を求めはじめている。両手で杖にしがみついて地面を押しはじめたら、もう敗残兵の風情。

山は登山ファッションでキメた山ジジイ山ババアであふれている。軽くて機能的で快適そうな服装だ。一方、稽古着で登山に臨んだ私が直面した問題は汗対策。木綿の襦袢、稽古着はまたたく間に汗だらけになり重くなり、風に当たると冷たくなってくる。この先、お遍路を進めるにしても、登山用の速乾性のある下着の併用も考えて行った方がよさそうだ。

下山して三日目。筋肉痛はほとんど出てこなかったところをみると、まずまず上手に体は使えたのだろうと思う。願いはいつかは実現する。今回の経験を拠りどころにして70代に踏み入っていくことにする。