白山から降りてきて数日後、激しい腰痛がやってきた。
登山の疲れが出てきたのかと様子を見ていると、何年かに一度経験する、いわゆるギックリ腰とは質が違い、ズーンとした鈍痛感が主。腰痛というより仙椎痛。それでも腰の動きに先行し手が先に動くと、鋭い痛みが襲ってくる。腰痛とは正しく動法的に体を処する教師のような出来事であることは、いつも通りである。
これって誕生日特有の体になっているのか? 誕生日前後特有の身体があるということは経験上知っているけれど、これまで誕生日前後の自分自身の身体を観察したことがない。あわててダン先生の「形見」という文章が載っている月刊全生を引っ張り出してくる。2018年5月号。西を向き正座して仙椎を内観する。今回の腰痛、不思議なことに女の動法で動いた方が無理がない。母が亡くなって四半世紀近くになった今ごろ母の身体と出会っている。お盆でもある。