2023年12月30日土曜日

12月の読書

感情の向こうがわ* 光岡英稔・名越康文 国書刊行会 2022
ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた* 斎藤幸平 KADOKAWA  2022
翻訳、一期一会* 鴻巣友季子 左右社 2022
さみしさは彼方* 奥田直美・奥田順平 岩波書店 2023
清少納言を求めて、フィンランドから京都へ* ミア・カンキマキ 草思社 2021

本の栞にぶら下がる* 斎藤真理子 岩波書店 2023
 岩波書店の「図書」に連載されていた文章をまとめたものらしい。斎藤さんは僕よりひとまわり年下のようだけれど、同じ時代の空気を吸ってきた方のようだ。斎藤さんの本に度々引用されていた#鶴見俊輔 の文章が読みたくなって、石川行きのサンダーバードの供に本棚から#思い出袋 を抜き出して鞄に入れた。これもまた「図書」に連載されたもの。直接の面識はないけれど、鶴見さんもまた大文字で語らない人だった。

歌仙はすごい* 辻原登・永田和宏・長谷川櫂 中公新書 2019
 歌仙はすごい というタイトルは如何なものかと思うけれど、中身は面白い。小説家、歌人、俳人というジャンル違いの三人が一堂に会して歌仙を巻く。場所を変え、季節を変え、全部で8巻の歌仙がおさめられている。永田和宏というのは、どのような歌を詠んできた人なのだろう。俄然、興味が湧いてきた。歌仙のルールも説明されていて、連句の良い入門書にもなっている。