2017年1月3日火曜日

新年点描

 橋本治の「義太夫を聴こう」とブレイディみかこの「ヨーロッパ・コーリング」を交互に読んでいるうちに大晦日が暮れていった。遠くからゴーンという鐘の音が聴こえてくる。いや遠くない。炬燵から出る気にはならず、今年はこのまま年越しかな~、などと思っていたが、体は勝手に動きだし、稽古袴の上にオーバーパンツをはき、羽織の上に着物用のコートを着て、頭にはウールの帽子、手袋もはめ、足元はブーツという完璧ないでたちで等持院を目指していた。87番と書かれた紙切れをもらい行列に加わる。空を見上げると星が綺麗。オリオン座がよく見える。鐘をつかせていただき、そのまま六請神社に流れ、お神酒をいただいて家に戻れば、もう1時近い。読書に戻る。

 布団に入ったのが3時なのに9時前には目が覚めてしまう。しきりに裕之先生に尻を叩かれてる夢をみた。はいっ。布団から抜け出し、いつものように、火起こしに炭を入れ、ガス台に載せて炭をおこし火鉢に移す。長着に着替え帯を締める。前の日の夜から鍋に入れておいた昆布を取り出し、スルメは入れたままで沸騰させる。鶏肉も入れ、さらに調味料を加える。これで雑煮用の出汁の完成。生協で買っておいたひとり用のおせちを漆の皿に移し、それに自作の黒豆を添え、それらしく見せる。買っておいた小ぶりの丸もちを茹でる。せめてお屠蘇くらいいただこうと、引越し前に赤尾さんにもらった黄色の可愛いお猪口を取り出してくる。随分手抜きだけれど、とりあえず正月気分。あけましておめでとうございます。

 郵便受けをみると年賀状が届いている。いやー、ご無沙汰してる方たちに返事出さなきゃ、と書きはじめたのがこの文章。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年12月31日土曜日

黒豆を煮る

正月に黒豆くらいは食べたい
さいわい、袋三分の一ほど黒豆が残っている
とにかく弱火でことことと煮ていく
錆釘などを入れるとよい
この程度の知識はある

一晩水につけておいた黒豆を鍋に移し、調味料を入れて火にかける
鍋の代わりに、普段は火鉢に載せて白湯を沸かしている鉄瓶を使うのはどうだ?
暴挙といわれそうだが、理にかなっている
焦げつかせることさえしなけば、きっと美味しく煮上がるはずだ
錆釘も不要

去年、石川からもらってきた錆びた鉄瓶
一年使っているうちに錆は抜けてきたが、それでもまだ少し茶色の白湯になってしまう
それはそれで美味しい

目論見通り、おいしい黒豆ができあがった
しばらくは、黒豆風味の白湯を愉しむことになる

12月の読書

ヨーロッパ・コーリング* ブレディみかこ 岩波書店 2016
義太夫を聴こう* 橋本治 河出書房新社 2015
イギリス人アナリスト日本の国宝を守る* デービッド・アトキンソン 講談社α新書 2014
バラカ* 桐野夏生 集英社 2016
聖地巡礼 Beginning* 内田樹・釈撤宗 東京書籍 2013
寄生獣*1-6  岩明均 講談社文庫 2014
文楽の男* 初世吉田玉男・山川静夫 淡交社 2016
あらすじで読む文楽50選* 高木秀樹・青木信二 2015
欧州・トルコ思索紀行* 内藤正典 人文書院 2016
日本人はなにを捨ててきたのか* 鶴見俊輔・関川夏央 ちくま学芸文庫 2015
多次元に生きる* オルダス・ハクスリー コスモス・ライブラリー 2010
人間、やっぱり情でんなぁ* 竹本住大夫 文藝春秋 2014

2016年12月30日金曜日

大阪

大阪に出かけるのはお寺がらみのことが多い
京都に住み始めて、年に何度かお参りに来るようになった
行かなくてもいっこうに構わないのだが、不思議に足を運びたくなる
そもそも、仏壇に毎日お線香をあげてる自分が信じられない

去年も年末の30日、お墓参りにやってきた
そのあとで、南に下って、はじめて四天王寺にお参りした
お寺からの距離は、上町台地をたどって、たかだか1キロ半くらい
今年も同じルートなのだが、途中、生國魂神社に寄ってみることにした

谷町筋を南に下り、この辺りかなと目星をつけていた角を坂を下って行くと、
いきなりラブホテル街に入り込んでしまった
その先に生國魂神社があるのだが、途中、幼稚園があったりもする
どんなエリアにも生活はある

生國魂神社は初めてなのだが、いやすごいところ
上方落語発祥の地で、井原西鶴があの有名な俳句興行をやった地でもあるそうだ
















































そこから四天王寺に寄って、教えてもらっていた釣鐘まんじゅうを買い、
そのまま天王寺を目指すことにした
歩きながら、僕の趣味は「街歩き」だなと合点する
そう、どこに行っても、その街の空気を味わうために、ひたすら歩く

























(六万体? 一瞬ギョッとしたが、古い由来があるようだ)

天王寺が近づくにつれ、カオス度が増す
京都に比べると、大阪はカオスな感じがするが、このエリアはさらにカオス
新しいビルは見えるのだが、そこにたどり着くまで、昔ながらのお店が軒を連ねている
東京の雑踏とはなにが違うのだろう
あえていえば、よりアジア的


(← 一瞬ゴジラが現れたかと思った ↑ なかなか複雑な心境かも)

今日の散歩はここまで
御堂筋線で梅田に戻り、阪急電車で帰ってきた
もっとも、あたたかさに爆睡して、あやうく大阪に逆戻りするところだったのだが

2016年12月28日水曜日

12月28日

ゴミ出しに外に出たら雪が舞っている
午前中、ニューヨークから帰国している40年来の友人夫婦が訪ねてきてくれる
互いに老けてきたことは確かだが、話しはじめると20代の頃と寸分変わらない気分になる
火鉢を気に入ってくれた
ちょっとだけニューヨーク再訪を考えはじめる

午後、今年最後の中央図書館
予約していた本を受け取り、書棚から正月用にアジェンデの「精霊たちの家」も借りる
この大作、どこまで読み進められるのだろう
そういえば、「百年の孤独」、3分の2くらいで止まってるんだー2年くらい

六波羅蜜寺に向かう
年末のこの時期、空也躍念仏というのをやっているらしい
空也上人像も見てみたい
ご住職のお話に続き、僧侶三人の念仏踊り
そのあとで、参加者は焼香して願いごとをすることになっているのだが、
なにをお願いすればよいのだろう

六波羅蜜寺を出て、宮川町を通り抜けて四条通りに出る
このあたり、足を踏み入れたことがない
高瀬川の脇にある喫煙所で一服
年の瀬の四条河原町
成城石井でクッキー、紅茶など買って帰宅

あとは、明日天皇杯準決勝を観て(フロンターレ頑張れ! なんで長居でやらないんだ)、
明後日、大阪のお寺に顔を出すくらいだ
大晦日に稽古したいという殊勝な方一名、帰省途中に京都に寄りたいという方一名

なんだかんだいって、今年もあと三日
メディアは激動の一年と今年を総括するのかもしれないが、
わたくし的には、ようやく平和な一年を過ごせました
いたって元気なのだが、まだカラ元気
来年は中身を湿らせなければね

随分冷え込んできた
明朝は氷点下にまで下がるらしい

2016年12月22日木曜日

旅納め

今年も暮れようとしている
普段は京都で隠遁生活をしていて、家から一歩も出ないという日も結構な数ある
ことに日が短くなった秋から冬にかけて、そのような日が増えた
月例の白山稽古会、4ヶ月に一度東京である研修会がなければ完璧なひきこもりである
だから遠征に出るときには、ちょっとだけ欲張ろうとする

ひとふでがきの旅が好きということは以前どこかで書いた
今月の北陸・東京遠征も、当初は、京都〜石川〜東京〜京都というルートで考えていた
ただ、そのまま寒い京都に帰ってくるのではいつものパターンで能がないので、
他にどんな可能性があるか探ってみた
ここから先はもうほとんど頭の体操なのだが、
LCCを使って、成田ー台北ー関空というルートも考えられる
東京ー京都の新幹線費用を考えると、そうべらぼうな値段にはならない
でも、この年末に海外まで足を延ばす気にはならない

飛行機で大分に飛んで、友人を訪ねることにした
うまくすれば、別府温泉につかる時間くらいあるかもしれない
大分からは夜行の船で関西に戻る予定
そうそう、しばらくぶりに船の旅もしてみたかったのだ

2016年12月15日木曜日

愛宕山

誘われて愛宕山
清滝から歩き始める
愛宕神社まで4.2キロ
























いきなりの急勾配に息が切れる
うん、だいぶ体がなまってると自覚しても、もうあとの祭り
100メートルごとの道標がなかなか進んでくれない
























道標(1-41まで振られている)15くらいまでは、休み休み登るしかない
高尾山程度と思っていたが甘かった
それでも15を過ぎたあたりから、普通の山道となり、水平移動も増えてくる
急に視界が開け、桂川の蛇行が確認できる地点にたどり着く
これでもまだ半分か〜

























空は晴れなのに、時々雨も舞う、いかにも冬といった感じの天候
30を超えると、ゴールが少し見えてくる
雨かと思ったら、なんとみぞれ
ただ、粒が細かくて、雨のようにしか見えない
黒門を過ぎたころから、雪に変わる
おお、今年初めての雪だ
登り口よりも大分気温が低い

























愛宕神社到着
所要2時間と少々
いかにも山が神様といった風情の神社だ
お参りのあと、休憩所で朝作ってきたおにぎりをほうばる
手がかじかむほどに寒い

下山
登り2時間なら、下りは1時間でしょう
と思ったが、ゆうに1時間半かかった
登りで手こずった最初の急勾配を降りるときはスネがひきつりそうになるくらい
下山途中で虹を見た
陽が西に傾き、その西日によって作られた虹が、自分より低いところから上に伸びていた
雪に触れ、虹を見て、なかなかよい愛宕神社参拝となった