2012年8月1日水曜日

オムレツ

「たまには朝御飯作って」
というリクエストに応えて、台所に立った
一家に主婦は二人いらないから、
このところ主夫業はサボリ気味だったのだ

メニューは簡単
トマトサラダ、オムレツ、トーストと紅茶
トマトはサイコロに切る
ドレッシングづくりはカミさんにまかせることにして、
オムレツにとりかかった
フライパンに卵を流し込んで火加減をみているうちに、
先日、ある人から受けた相談事をふと思い出した
そうか、料理に挑戦させればいいじゃないか

相談事というのは、その人自身のことではなく、
その元同僚から持ちかけられた、
「僕、動きがとろいんですけど、なんとかならないですかね」
という漠然としたもの
僕も、その人とは少しだけ付き合いがあって、
「同時並行処理が苦手な人」という印象が残っている
単純に「稽古しなさい」とは言えない距離なので、
アドバイスのしようがないなあと、聞き流していたのだ

料理って、ちゃんと段取りを踏んで複数の作業を並行してやんなきゃいけない
でないと、温かいトーストと紅茶とオムレツが同時にテーブルに並ばない
そいういう意味ではかなり修練のいる作業
加減とか塩梅とか極めてアナログな感覚的世界で、
オムレツなんて、追求していけば、とてつもなく深い世界

料理に挑戦しなさい
こんなアドバイスを伝えようかと思っている
でも、そのもとになる感覚的世界=身体という部分は手つかずのまま
隔靴掻痒感は残る