2015年8月31日月曜日

前にすすむ 9 - 京都again


6月末、三年ぶりに京都稽古会に出た
休憩時間の雑談の中で、関西に戻ってこようかなという話をした
無論、喫緊の話ではなく、数年という尺での話
もう少し京都での稽古会に通わなきゃと秋以降の宿を予約しようとしたら
全く取れない
ほんと、宿よ宿よという感じ


妻と父の初盆は東京式に7月に執り行った
南品川のお寺からお坊さんが読経に来てくださった
私と娘、そして妹の家族が揃った
読経がはじまった
妻の戒名は出てくるのだが、なかなか父の戒名が読まれない
家族は固唾をのんで待っている
結局、そのまま読経は終わってしまった
僕の連絡不行届きで、二人分の初盆を迎えるということが伝わってなかったらしい
オヤジは、普通に8月にお盆をやってほしかった
更にいえば、大阪の菩提寺のお坊さんにやってほしかった
というのが、僕ら家族の好意的後解釈で、
大阪のお寺に、一度、そちらでお経を読んで下さいという葉書を出した
そうか、死んでもなお、故人の想いというのは、こういうかたちで現れてくるのか


8月はじめ、白山稽古会のあと岡山の親戚を訪ねる予定にしていた
それが先方の都合で、岡山行は延期になり、結局京都に呼ばれていった
冷やかしのつもりで、ネットで下調べしておいた物件について不動産屋に連絡してみた
面白そうな物件は三つあって、
第一候補は天竜寺近くのモダンな一軒家、
二つ目が等持院ちかくの平屋物件、
そして、三つ目が左京区の古い家屋
結局、内覧できたのは等持院近くの平屋建ての物件


門から玄関までのアプローチが美人の一軒家で、
引き戸の玄関も素敵
入ってすぐの四畳半は稽古スペースとして使えそう
すっかり気に入って、特定小数の人間が出入りする教室として使えるかどうか
訊いてもらうことにした
人の出入りを嫌う大家さんは多くて、この段階で断られるケースは多い
しばらくして、o.k.の返事が来た
こうなると一気呵成にものごとを進めていくしかない


8月14日
誕生日、そして新月であることを娘に教えられる
新しいことを始めるにはよい時期なのか


コンビニ、スーパーまで徒歩3分、
図書館まで10分という便利過ぎる街暮らしをしている身からすれば、
等持院に住むなんて、田舎暮らしも同然である
家のつくりも昔風
この不便さに耐えられるか
冬の寒さ、夏の暑さに耐えられるか


京都研修会館には近いが、
街中からは不便なところである
駐車場もない
ただ、著名な観光スポットは近い
金閣寺、竜安寺は徒歩圏内、等持院も有名なお寺らしい
となると、稽古に来る人はいないが、
京都観光の拠点として、あるいは研修会館への足場として泊めてほしい
という人は大勢現れるのではないか
稽古場よりもB&B向きの物件なのかもしれない
悩ましいところだ


8月半ば、操法を受けた時、
骨を拾える距離という妙な言葉が浮かんできた
たしかに、関西には高齢の叔母たちがいるし、
京都の知り合いたちもみな高齢者と呼べるお年頃だ
他人事ではないのだけれど


娘を伴って日帰り京都行き
再度の内覧をお願いする
不動産屋に戻って契約の詰め
もう後戻りできない
クールダウンのために歩くことにする
烏丸今出川から同志社前を通り、鴨川を越え出町柳
電車で三条に出て、寺町通りを下り、そこから東進して八坂神社
やたら外国人浴衣女子が闊歩している
三十年の時を経て、こうして娘と一緒に京都の街を歩いている不思議

10
引っ越しは9月末の予定
とはいえ、まだ契約手続は未完了
ここまで書いて、京都行きが実現しなかったら
国外逃亡しかないぞ