2024年8月7日水曜日

整体3.0

 不謹慎を承知の上で、いまの整体はどのバージョンで動いているのか考えてみると、整体3.0ということになる。活元運動と愉気の時代が整体1.0、それに動法内観が入って整体2.0。そこに更に双観独観が加わって整体3.0。もちろん、身体教育研究所という枠組みの中での話である。もっとも、僕の知らない整体4.0というのが生まれている可能性もある。

 それにしても、ここ十年の変化は大きかった。つまり、ロイ先生が亡くなり、ダン先生が整体協会全体の指揮を取り始めることになってからの十年である。個人的にも変化の多い十年であった。いきなり「双観」といわれ戸惑った。おーい、おれたち内観派じゃなかったんですかと異議を唱えても、師匠はさっさと先を進んでいく。君子豹変す、というのは、自分的にはよい意味なのだけれど、梯子を外される側にとっては苦難の道が待っている。それが、進化深化の道であったことは疑いようがない。整体2.0から整体3.0へ。

 身体教育研究所ができて36年。人生の半分をこの結社とともに生きてきたのかと思うと感慨深いものがある。稽古場を始めるときに、師曰く、ここは「技を通して野口晴哉の思想を追求する」場であると。技以前に、技を可能たらしめる体をつくるといって、動法の稽古がはじまった。時折、本部稽古場で竹棒を振り回している場面が脳裏に蘇る。あの時代があったから今がある、という言い回しは、あまりに陳腐で年寄りじみているけれど、体ができてない人間に技の追求は無理というのは、いまでも真理だと思う。

 やはりOSとの対比で整体を語るのは無理筋か。