2024年8月30日金曜日

着物のはてな

 和装の世界に足を踏み入れると、「へんだな」と感じることがあれこれ出てくる。着物振興を謳いながら着物人口を増やそうとしている風もない。連れ合いが図書館から借りてきた「着物の国のはてな?」に横から手を伸ばし、その本から「きもの文化と日本 」にたどり着いた。この2冊の本、これまでモヤモヤしていた着物業界にまつわる疑問の多くに答えてくれた。やっぱりそうか〜、ということばかり。

 1970年の300万部ベストセラー、「冠婚葬祭入門」が和服のスタンダードを作ってしまったらしい。当時、光文社がカッパブックという新書版サイズのシリーズを出していて、「頭の体操」といったベストセラーを連発させていた。「冠婚葬祭入門」を書いた塩月弥栄子さんは、14代千宗室の長女。この本をきっかけに、お茶の世界のスタンダードが和服のスタンダードに拡張されてしまう。お茶の世界が基準になってしまうと、普段着仕事着としての着物は横に追いやらてしまうよね。きっと着物警察と呼ばれている人たちのルーツは1970年の冠婚葬祭入門ある。ただの歴史修正主義者ではないか。