2016年8月16日火曜日

送り火

東京からの来客があったので、キダさんに無理をお願いしてお店を開けてもらい食事し、北野白梅町まで電車で行こうと小雨の中、龍安寺駅に向かっていると、家々から人がぞろぞろ出てきて僕らと同じ方向に歩いていく。どこに行くのかと思ったら、嵐電の踏切の真ん中に人だかりができている。線路の先に大文字の火がちらちらと見える、らしい。白梅町にも人が大勢出ていて、信号が変わる度に、横断歩道の真ん中に出て、車の往来を邪魔しながら左大文字を見ようとしている。そう、道路の中央がいちばん見晴らしがよい。雨はどんどん激しくなり、天満宮方面に行って今出川通りの先の大文字を見ることは諦め、西大路を少し北上し、ほんの少しだけ大きく見える左大文字に満足することにした。それにしてもひどい雨。浴衣姿で京都の夜を優雅に散歩するはずだったのに、裾をからげて傘をさして歩くことになった。でも、ほんのちらりとでも送り火を見ようと外に出てくる京都人気質に触れられた。

2016年8月15日月曜日

814

■真夜中を過ぎても30度を切らない最悪の熱帯夜を乗り切るには冷房に頼るしかなく、タイマーをかけて布団の上でごろごろしているうちに6時半がきたので起き出してバナナヨーグルトの朝食を食べ、せっかく早起きしたのだからと、外に出てぼたぼたと落ちている木槿の花を拾い集め庭の片隅にほかす。このあたりでちゃんと近所付き合いしようと思ったら毎朝6時に起きて外周りの掃除すればいいのだろうが、普段8時にしか起きてないので近所の評判はきっと芳しいものではないだろう。7時半、26番のバスに乗って京都駅に向い近鉄電車に乗り換える。近鉄乗るの何年振りだろうなどと窓の外の風景を見ているうちに橿原神宮前。なんだ意外に都会じゃないか。■天河神社の名前は40年も昔からいろんな人から聞いていたが、これまで縁がなく、今回がはじめての訪問になる。能楽師の味方さんという方が天河神社で能を奉納されるというので橿原神宮からのバス付きツアーに申し込んだ。鎌倉稽古場の方たちも何名か来られるということは後から知った。天河神社はこじんまりとした神社で、本殿の真向かいに能舞台がつくられている。神事につづきお能「三輪」が奉納される。風が通り抜けるオープンエアの能舞台は素晴らしく、これまでで最高のお能体験となる。■往路は主催者事務局が用意してくれたバスを利用したのだが、帰りは稽古会に来ている方が車で来ていたので便乗させてもらうことにして出発。往路、バスの窓から外を観ることもできなかったので、まさかこんな坂道をこんなに登ってきていたのかと驚く。奈良の地を歩いた記憶を辿って行くと20代の頃が一番ひんぱんに来ていて、最近来たのはいったいいつだろうと考えると、奈良女で行われた体育学会にダン先生のお供で来たときくらいで、それにしても15年も前のことになる。いや日帰りツアーとはいえ、随分遠出した気分。京都は雨が降ったようで、すこしばかり涼しい。

2016年8月9日火曜日

七夕

外は熱風が吹き
水道の蛇口からはお湯が出る
この猛暑はあとどのくらい続くのか

一週間前までは、平屋にしては暑くない
などと言っていたが、さすがに猛暑日が続くと
家全体が熱を持って、夜になっても室温が下がらない

こうなるとエアコンのある部屋に引きこもるしかない
ここぞとばかり、アイロンとアイロン台を持ち込んで、襦袢にアイロンをかける
アンプに電源を入れて音楽を聴くのもひさしぶりのことだ

夕方には打ち水をする
ここのところ取り組んでいる庭木の剪定も頓挫
剪定した枝を細かく切ってゴミ袋に入れていくくらいがせいぜいだ
庭木の剪定に精を出す生活など想定外だったが、
それ以上に、庭仕事を愉しんでいる自分が出現したことにも驚いた
ほとんど、家守として雇われている気分

暦の上ではもう秋
たしか今日9日が七夕のはずだ
筆動法の日ではないけれど、硯と墨を取り出して、
願い事のひとつも書いてみようか

2016年8月4日木曜日

熱風をかきわけて

この夏一番の暑さ
熱風の中、自転車を走らせる
そういえば、一年前の今ごろ降り立った京都もこんな暑い日だった
その熱さを「懐かしい」と感じたのが運のつきだったのか
そう、この熱さはけっして嫌ではない

今日の目的地は二条にある映画館
シンゴジラを観るのだ
なぜか、猿の惑星シリーズとゴジラ映画は観ることにしている

舞台は首都圏
蒲田がやられ、北品川がやられるということは、
その間にある大井町稽古場はきっとやられているだろう
などと思いながら映画を見ている
多摩川が防衛線になる、つまり川崎は打ち棄てられるところなどリアリティーがある
来るべき、首都圏地震のシュミレーションとも読めるが、
肥大化した統治機能自身が、絶滅した恐竜のアナロジーとも読み取れる
おい、凍土壁どうなった?
なんか、見どころ、つっこみどろこ満載の映画
東京駅に巨大ゴジラのモニュメントができれば、上京します
あれはワットロンクンか?

2016年7月30日土曜日

7月の読書

「弱くても勝てます」 高橋秀実 新潮文庫 2012
庭木の自然風剪定 峰岸正樹 農文協 2001
京都・お婆さんのいる風景* 名古きよえ コールサック社 2011
もうすぐ夏至だ* 永田和宏 白水社 2011 
オイッチニーのサン* 高野澄 PHP研究所 2008
世界といまを考える2* 是枝裕和対談集 PHP文庫 2016
出来事と写真 畠山直哉x大竹昭子 赤々舎 2016
忘れられた巨人* カズオ・イシグロ 早川書房 2015
わたしを離さないで* カズオ・イシグロ 早川書房 2006
数学する身体* 森田真生 新潮社 2015
八紘一宇* 島田裕巳 幻冬舎文庫 2015

2016年7月20日水曜日

郡上八幡

郡上八幡に向かう途中、梅雨が開けたことを知る
今回の郡上行きはオスマン音楽がお目当てで、郡上踊りは次回に持ち越し
そういえば、郡上市も気温が上がることで有名なところだ

京都から岐阜までは各駅停車
岐阜駅で改札を出ようとしたら、ICカードを受け付けてくれない
窓口に行ったら、ここはJR東海ですと言われ、JR東海が新幹線だけではないことを知る
そこから高速バス
京都から郡上八幡まで直接バスで行けることは後から知った

街中のどこからでもお城が観える
山の中腹にある宿に荷物を降ろし、そこから城を目指す
天守閣を通り抜ける風が心地よい
























山を降りる
観光客の姿はすでまばらで、音楽会が終わったころには食事処は閉まっていそうだ
うなぎ屋をみつけて、うな重を注文
うなぎといえば、オヤジのことを思い出す
一之江に行く度に、うなぎ屋に繰り出していた

























会場である安養寺の本堂へ
正面に端正な阿弥陀仏が置かれている
中央前から三番目の座布団の上に陣取ることにする
いつも感じるのだが、由緒あるお寺の本堂は実に座りやすい

「トルコ・スーフィー 音楽の祭典」に来るきっかけを作ってくれたのは石坂亥士さん
昨秋、京都に引っ越す前に群馬の友人たちが設けてくれた送別会の席ではじめて出会った
土取利行さんの内弟子だったというパーカショニスト

音楽家たちはそれぞれ素晴らしい
クツィ・エルグネル Kudsi Erguner ネイ(葦笛)
ベキル・ビュユックバッシ Bekir Buyukbas 詠唱
ムラット・アイデミイル Murat Aydemir タンブール
土取利行


























一泊して翌日午前中は街の中を散策
小さな水路が流れている町並みは涼しげ
町の中央を流れる川で鮎釣りをしている人もいるではないか

























筆動法の前になると旧暦カレンダーを見る
梅雨明け前だったのに季節でいえばすでに晩夏
いま咲いている木槿など、秋の季語であることに驚く
雨の合間を縫って買物にでかけ、 帰ってくると、どことなく秋の気配
それが一週間前のことだ
唐突に梅雨が明け、湿気も一気に抜けた
普通ならここで、「夏本番」とでもいうのだろうが、
日はすでに短くなりつつあり、夕方の影は秋のおとづれを告げている