ラオスとの国境の町チェンセンを案内してくれるという。歴史の専門家のガイド付きツアーとは贅沢の極み。メコン川も見られる。ゴールデントライアングルという名称はもちろん知っていたが、チェンセンに着いて、高台に登り、ここがゴールデントライアングルですと告げられた時には、ちょっと拍子抜けした。もっと山を踏み入った少数民族の住むエリアのことを想定していたのだ。たしかに眼下見えるのはミャンマーでありラオスであった。ミャンマーの土地にはカジノがつくられ中国人も川を下ってやってくるという。タイ人にとっては、文字通り向こう岸にすぎず、実際客を乗せた小舟が頻繁に出入りしている。
Hall of Opiumは王室関係の財団が運営するアヘン博物館。古代から現在までアヘンがどのように使われ、どのような歴史をたどってきたかが、ジオラマ、映像を駆使して多面的に展示されている。当然、東インド会社の行っていた三角貿易のはじまりからアヘン戦争に至る部分は大きく扱われている。アヘン戦争が1832年で明治維新が1868年。明治維新をどう評価するには、アヘン戦争がどのような戦争であったか、まず知る必要がある、と今更ながら思う。アヘンと軍隊は深く繋がっている。ガイド役のイギリス人である友人は、ベトナム戦争時の米軍、CIAのアヘン取引への関与がどうして触れられてないのだと不満げであった。