2012年12月2日日曜日

ロイカトーン

あてがわれた部屋の窓から空をながめていると、赤い点がいくつか光っている。タイでは星は赤く輝くのか。火星ではない。その赤い点はゆっくりだが動いている。しかし飛行機ではない。とうとうUFOと遭遇してしまったか?

すっかり暗くなってから、お祭りをやっているからと連れていかれたお寺で、ようやく赤い点の正体が判明した。紙で作った熱気球である。直径1メートル弱、高さ1.2メートルくらの上部が閉じられた円柱状の和紙の下部に、ドーナツ状の燃料を針金で固定し火を点ける。その炎で熱せられた空気で舞い上がるという仕組み。

さらにこの熱気球に導火線つきの花火を結びつけ、舞い上がった時点で着火し、光音煙を発生させる。水に舟を浮かべる精霊流し(これもやっている)の気球ヴァージョンである。気球は次から次へ打ち上げられ、編隊を組んで上昇していく。随分賑やかな精霊流し。燃料が燃え尽きる前に民家に着陸し、屋根を焦がすこともあるらしい。

この祭りのことをロイカトーンというそうだ。