2022年9月30日金曜日

9月の読書

自民党の統一教会汚染 追跡3000日 鈴木エイト 小学館 2022
けもの道の歩き方* 千松信也 リトルモア 2015
古代から来た未来人 折口信夫 中沢新一 ちくまプリマー新書 2008
アースダイバー 神社編* 中沢新一 講談社 2021
この国の戦争 奥泉光・加藤陽子 河出新書 2022
祝祭と予感* 恩田陸 幻冬舎 2019
家(ちべ)の歴史を書く* 朴沙羅 筑摩書房 2018
日高六郎 95歳のポルトレ* 黒川創 新宿書房 2012
アン・ソンギ* 村山俊夫 岩波書店 2011
疫病神* 莫言 勉誠出版 2014

2022年9月29日木曜日

踊り場

 孫たちと付き合っていると成長というものががいちようでないことがよくわかる。順調に成長していても、それが停滞する時期はある。踊り場と呼べるような時期。そんな状態になると、子ども心にも不安になるのか、「じーじ、面白いことない?」などと訊いてくる。そんな時には、「そうだね〜」と相槌は打っても、これはどうあれはどうと方向性を示すことはしない。この時期は、力を溜めている時間なのだろう。数ヶ月しないうちに、自分の興味をちゃんと見つけてくるものだ。

 大人にももちろん踊り場はある。この9月ひと月はそんな時期だった。月初めの白山稽古会行きが頓挫したこと。70になって見えてくる風景が変わったこと。耳が遠くなり、これから先どんなふうに稽古を進めていけばよいのか迷っていること。いろんなものが重なって方向性が見えなくなっていた。おまけに9月は毎年不調な月でもある。こういう時は、じたばたしても仕方がない。粛々と稽古して、読書に励み、あとは土いじりをして時を過ごす。

 ぼちぼち踊り場を抜け出す時期にたどり着いたようだ。月末三日間の稽古会が始まり、久しぶりに本格的な脱力動法などをやり、歩むべき方向が見えてきた。白山登山で得た教訓どおり、一歩一歩進むだけだ。

2022年9月17日土曜日

大型台風接近中

 猪もともに吹かるる野分哉(芭蕉)


2022年9月10日土曜日

アン・ソンギ

韓国文学の中心にあるもの」を読んで以来、韓国熱再燃。実現しなかった未来ーパラレルワールドとして、韓国韓国語というものが、僕の中であるらしい。その後ろに、曽祖父角三郎の姿もちらちら見える。

で、アン・ソンギ。韓国を代表する俳優。てっきり年上だと思っていたら、1952年生まれ。まったくの同世代ではないか。僕にとって、1976〜86の十年間が、一番、韓国が近しい存在であった時期。ソウルを訪ねるたびに、理解できない韓国語をものともせず、映画館に足を運んでいた。もっとも、アン・ソンギの姿をスクリーンではじめてみたのは、京都で自主上映された「風吹く良き日」だったかもしれない。

アマゾンプライムで韓国映画が結構な数見られることをしり、このところ、韓国映画を続けざまに見ている。「ペパーミント・キャンディー」「南山の部長たち」「黒水仙」「シルミド」「光州5・18」。いずれも、近現代史を題材にした映画。ここ70年の間、海峡を挟んで日韓の民衆が経験したものの違いに目眩を覚えるほどである。すくなくとも、僕らは、国が戦場になり、自らが難民となって右往左往した経験はないし、国軍に銃を向けられるといった経験もしていない。そのような経験をしている人たちを横目で見ながら、あるいは、見て見ぬふりをして、高度成長に邁進してきたのだ。

続けざまに韓国映画を見て、歴史の中で圧殺されてきた民衆の怨嗟の声を伝え、果たされることなのなかった同輩たちの未来を成仏させようという、映画人の強い意志を感じるのだ。「韓国文学の中心にあるもの」は「韓国映画の中心にあるもの」であり、なぜ、韓国映画は骨太なのかという素朴な疑問への答えでもあった。

2022年9月3日土曜日

a long and winding road

いつものように京都駅まで行き、サンダーバードの切符を発券し、志津屋でジャンボポテトサンドとカレーパンを買い、いざ改札。

改札を抜けようとしたところで、予約便運休の掲示。動物との接触が原因とある。あわててみどりの窓口に向かうが、そこはもう長蛇の列。2時間後の便で予約は取れたが、これでは稽古会90分の遅刻。白山稽古会のSさんに連絡。

朝ごはん食べずに出てきたので、買ったばかりのサンドイッチを駅の植え込みに座り込み、車内用に作ってきたコーヒーと一緒に食べる。時間あるので、駅前のヨドバシカメラ、地下にできたというスーパーをひやかす。

そろそろ時間なので再び改札。ぬぬ、予約変更した便が消えている。文句を言いに駅員のところに行くと、同じ時間に全席自由席の臨時便が出ますとのこと。おとなしく臨時便を待つ列に並ぶ。が、到着した臨時便はすでに満席で、デッキにも人が溢れている。こりゃむりだ。これで本日の稽古キャンセルが確定。

今日の稽古は諦めて16時の便に再び予約変更。一旦、自宅に戻ることにした。自宅に引き揚げたはよいが、家人外出中。こんな日に限って鍵を忘れている。入れない自宅玄関先にへたり込む。30分ほどして家人帰宅。すでに稽古着は汗まみれでシャワーを浴びる。新たにミルクティーを作ってもらい出かける準備。雨が降り出す。

土砂降りなれど、出発するしかない。大きめの傘をさしてバス停まで送ってもらう。再び京都駅。サンダーバードの遅延は続いていて、再予約した便の到着時刻は不明とのこと。しびれを切らして、京都〜金沢便のバスがあることを確認して予約。時間はかかるが、確実に着くだろう。三度みどりの窓口に並び、切符払い戻し。

これで一件落着と思ったが、まだ続く。宿にチェックイン遅れるかもしれませんと連絡したら、当ホテルのチェックインは22時までだとのたまう。以後、キャンセル扱い、つまり泊まれなくなるとも。バス便の金沢駅着時間を確認したら2153分とある。おれ、宿無しになっちゃう。バス便を窓口に行ってキャンセルし、再びサンダーバードを予約。

10分遅れでホームに入ってきたサンダーバード33号の座席に座ってこの文章を書いている。19時半くらいには金沢駅に着けそうーつまり宿のフロントはまだ開いている。先月は豪雨で稽古会初日をキャンセル。今回は動物。なんだかトラブル多し。次回から前泊前提に日程組まないと、だめかも。

右側に夕方の琵琶湖が広がっている。

おそろしいことに、続きがあった。琵琶湖北部で大雨のため運転見合わせとのアナウンス。近江舞子で止まってしまった。現在1755分。あと2時間は動かないとのこと。だいぶ粘ったけど、今回はここで撤退します。

京都駅で今日4度目のみどり窓口に並ぶ。人生最多記録だな。

帰ってきたぞ京都駅 ↓